この時期になると毎年、ネット検索することがある。
ネジバナの別名モジズリ(綟摺)についてである。
「みちのくの しのぶもじずり 誰ゆえに 乱れむと思ふ 我ならなくに」(古今和歌集)
「みちのくの しのぶもじずり 誰ゆえに 乱れそめにし 我ならなくに」(百人一首)
この「しのぶもじずり」がネジバナの別名の「モジズリ」のことであろうというのである。
だが、そもそも「しのぶもじずり」とは・・・。「信夫毛地摺」という染の文様の一つであるようである。
ここまでは毎年、検索で行き着くのだが・・・。
「信夫毛地摺」の文様とはどんな文様なのか。ネジバナに似ているのか、または別の側面があるのか。
先の歌は「信夫毛地摺の模様のように心が乱れる」と解釈されれるというのだから、乱れ模様なのか???
その文様がわからなくて、毎年、?????である。
ご存知の方がいらっしゃったらご教示いただければ幸いです。
ネジバナは、小さいけれど可憐で美しい花ですね。あんな小さな花序の中にランの緻密な花弁が詰められていることに神秘を感じます。
モジズリについて私も詳しくは無いですが、たまたま読んだ本に記載がありました。
荒俣宏さんの「歌伝枕説」103頁より要約しますと、
信夫の里には「文字摺石」があり、その石の凹凸模様を絹布に刷り写したのが信夫絹で、「もじり乱れた複雑な模様の衣だった」とのことです。
西行や芭蕉も訪れた歌枕でしたが、その石も実際の布も現在は不明のようです。
すなおに考えれば、文様の乱れた様子をネジバナの姿に見て名付けたと思われます。
ただ、文字摺石には、源融と虎女の悲愛や「石が死者の姿を写した」との伝説もあり、ネジバナへの命名には虎の尾との連想とか、なにか地元の伝承的な起源がある可能性もありうるかもしれませんね。
今日、「芭蕉入門」を読んでいましたところ偶然、「もじずり石は現存する」との記述が!
さっそくネットで調べましたところ次の記事を発見しました。
写真どころか信夫布の再現実演まで!
他人様(五十嵐様)の記事引用で恐縮ですが参考となれば幸いです。
http://b-spot.seesaa.net/article/392199021.html
見せていただきましたが、この染模様がネジバナとどうつながるのか・・・。
文様ではなく、なにか別なものと関係があるのではないかとも思ってしまいますが、浅学の私にはわかりようもありません。
貴重なサジェスチョンおよび、資料情報までいただき、ありがとうございました。
まずは、お礼まで。