mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

川の下を電車が通る

2009年04月18日 | インポート

 「天井川」という言葉があります。固有名ではなく、地面より高い所を流れている川のことで、歴史のある地域、特に近畿地方に比較的よくある川です。

 地面より高いというのは、古来より川の氾濫を防ぐ為に堤防を築き、すると流れの中で堆積が始まり水位が低下(水面上昇)、すると氾濫防止のためさらに堤防を築き・・・・・、を繰り返していくと、段々元の地面よりかなり高い位置を水が流れる川となり、それを天井川と呼んでいます。もちろん川自体には、何々川と固有名が付けられています。

 さてこの天井川、辺りの地面よりずっと高くなると鉄道トンネルを通せる程になり、その一つが今回写した、兵庫県芦屋市の芦屋川をくぐる東海道本線。

 下の画像、水の流れの真ん中に段々の構造物があり、この下を東海道本線の四線が通っています。

Img_0035_2

 線路のある位置に近づくとこんな感じ。この出っ張りの下に線路があります。見ての通り、明治期の鉄道敷設工事で、川底を持ち上げておりますね。

Img_0032_2

 この、東海道本線が芦屋川をくぐるトンネルは、「芦屋川トンネル」といいます。

Img_0014

 流石に明治の工事ですね、震災で川の流れる部分では致命的な被害はありませんでしたが、両側の道路部分で大きな被害を受けました。上の画像、鋼製ケタは道路部分で、震災復旧でこのような形になりました。その奥に水の流れる部分を支える支柱が見えます。

 震災の前にもこの芦屋トンネル坑口を写しましたけど、プリントした物が行方不明。しかしよくしたもので、動画サイトで震災前の芦屋川トンネル坑口が写っていましたので、それのキャプチャ画像を載せます。以前弊ブログで書いた「震災前の光景・youtubeの前面動画から」でのyoutube動画です。

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 この天井川、やはり河川管理ではあまり宜しくなく、全国的に見れば減らす方向だそうです。

***
 東海道本線の大阪~神戸間はもう一箇所、住吉川もトンネルで抜けます。またかつて石屋川も天井川のトンネルでしたが、今は連続高架橋で、川の上高い所を通っています。


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2 コメント

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同じ天井川の草津川は数年前に廃川になり、近くに... (stakenaka)
2009-04-19 16:32:14
同じ天井川の草津川は数年前に廃川になり、近くに新しい川が作られました。
草津は用地があったから出来ましたが、市街地の天井川は新しい川を隣に作って移すというのは難しいようですね。
stakenakaさん、コメントありがとう御座います。 (kisomitake)
2009-04-20 20:22:07
stakenakaさん、コメントありがとう御座います。

天井川でも、川の下を鉄道や道路が通っていない所では、河底掘下げで天井川の解消をはかることができますが、トンネルが通っている箇所では、河川か鉄道・道路かどちらかの代替地が必要で、工事は大掛かりになります。

芦屋川は両側が都市化された地ですし、河川勾配もありますので、当面はこのままでしょうね。

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