一燈照隅

日本が好きな日本人です

「新嘗祭」

2005年11月23日 | 日本の文化
戦後11月23日は勤労感謝の日に変わりましたが、
それまで今日11月23日は「新嘗祭」でした。
新嘗祭は、天皇陛下がその年の新穀を諸々の神様に供え、天皇陛下自らも食される神人共食の感謝祭です。
新嘗祭は、天武天皇六年(678)十一月乙卯の日にとり行われたことが記載されています。

明治元年(1868)十一月十五日太政官布告第九六三号
皇国ノ稲穀ハ、天照大神顯見蒼生ノ食而可活モノナリト詔命アラセラレ、於天上狭田長田ニ令殖給ヒシ稲ヲ皇孫降臨ノ時下シ給ヘルモノナレハ、其神恩ヲ忘給ハス、且旱淋ノ憂無之様ニト、神武天皇以来世々ノ天皇、十一月中卯ノ日、當年ノ新穀ヲ天神地祇ニ供セラルル重礼ニテ、三千年ニ近ク被為行
當日ハ潔斎神祇ヲ拝シ、共ニ五穀豊熟天下太平ヲ神祇ニ祈奉ルヘシ



新嘗祭について下鴨神社のホームページを転載します。
11月23日 午前9時 新嘗祭 新嘗祭は天皇陛下がその年の新穀を聞食されるのにあたり、まず天照大御神を始め天神地祇に御親ら新穀をお供えになる祭儀です。

全国の神社でもこれにならって御神前に新穀を奉る新嘗祭がおこなわれ、下鴨神社では午前9時から特に本殿の御扉をお開き申し上げて祭儀をおこないます。

宮中の親嘗祭は23日午後6時から8時までの「夕の儀」と、午後11時から24日午前1時までの「暁の儀」の2度にわたっての祭儀がおこなわれます。皇居内の神嘉殿において「夕の儀」では夕食を「暁の儀」では朝食を天皇陛下御手ずから神々にお取り分けになり食事を共にされ、私ども国民の平安をお祈り下さいます
23日は戦前「新嘗祭」という祭日でしたが、戦後は「勤労感謝の日」と改称され休日の一つとなってその意義も忘れられてしまいました。

私達が夕食をしている頃に天皇陛下は神々と夕食をともにされ、そして私達が寝静まる頃には再び神々と朝食を共にしておられます。暖房の設備もない神嘉殿において、尊き御身ながら2時間もの長い時間を正座の御姿勢をおとりになりお祀りを遊ばします御姿は誠に恐れ多いことであります。

昔御所が京都あった頃には京都の人は新嘗祭の日は一日中家で慎み、宮中での神事が終わるまで寝床に入らなかったといいます。

私達も先人にならい11月23日新嘗祭は心静かに過ごしたいものです。