映画館で観ました。
1939年11月8日、ドイツ。
ミュンヘンのビアホールでは、ヒトラーによる毎年恒例のミュンヘン一揆記念演説が行われていた。
やがて悪天候のため、ヒトラーは予定より早く演説を切り上げ退席する。
その13分後、会場に仕掛けられた時限爆弾が爆発し、8人の犠牲者を出す。
実行犯として逮捕されたのは、ゲオルク・エルザーという36歳の平凡な家具職人だった。
ヒトラーは、エルザーの背後に何らかの大がかりな組織があると確信し、秘密警察ゲシュタに徹底した捜査を指示する。
ところが、どんなに過酷な取り調べにも、単 独犯との主張を曲げないエルザーだったが…。(allcinemaより)
題名は原題の「エルザー」でいいんじゃないの~。
平和を愛する平凡な男が、なぜヒトラー暗殺を実行するに至ったのか。
エルザーの目を通して、ナチスに影響されていく様子が分かります。
演説会場にエルザーが時限爆弾を仕掛けるところから始まります。
後々の供述から分かるんだけど、これ物凄い精神力、忍耐力が無いと出来ないと思いますよ~。
緊迫感あるシーンだったけど、ここまでだったとは。
結局爆発の13分前にヒトラーは退席したので、暗殺は未遂に終わってしまったんだけど。
しかしヒトラーって悪運強い奴ですね。悪は蔓延るってこのことやと思ってしまう。
スイスに越境しようとしてたエルザーは秘密警察に捕まり。
ここから壮絶な取り調べと、エルザーの回想シーンが交互に描かれ、情勢の移り変わりやエルザーの人生が綴られていきます。
エルザーは都会から実家のある田舎に戻るんですが、ナチス政権が強くなると人々様子も変わっていきます。
のどかな村で子供たちまで・・・。 ナチスの考えに影響されていく姿が怖かったです。
気付いたらというか、人って多勢に影響されていくんだなと思ってしまいました。
世間の常識って多くの人が思ってる方が正しいと思われるんだよね。
取り調べシーンでは、いくらエルザーが犯行の動機や単独犯でやったことを主張しても、全く受け入れてもらえません。
それはあまりに完璧な計画だったから一人で出来るはずがないというのもあったかもだけど、もしヒトラーが退席してなかったら暗殺は成功
してたわけで、こんな平凡な奴に実行されたとなるとナチスのメンツにも関わったのかなと。
いない黒幕を供述させるために、拷問されるエルザー。もう見ていられません。
嘘を仕立て上げるために、ここまでするか~って感じです。
エルザーの固い信念に心動かされてくみたいな人もいるんだけね。
でも怖くて言えないのかな~。
あの上官はエルザーに影響されたのかな?
5年後の彼は処刑されるんですが、その処刑シーンがなんとも苦しい。
早く場面変わってくれないか~と思ってしまいました。
エルザーはその後何年か生かされてて、何で生かしてたか分からないんですが、ある日突然処刑されてしまいます。
自分たちの作る歴史のページに都合よく記したかったんでしょうね。
信仰心のあるエルザーが、暗殺が失敗したのは神がヒトラーを生かせるためで、自分が間違ってたんじゃないかと責める場面が印象的でした。
正義のために8人犠牲にしたと突っ込まれた時も、反論しない人やったしな。真面目過ぎるんや。
なんで正しいことをやった人がこんな辛い人生を送らなあかんねんと苛立ってしまいました。
でも今だから分かることで、当時は気づけなかったかもだけど。
もし暗殺が成功していたら歴史は変わってたのかなと思ったら胸がざわつきます。
地味で、エルザーの人生なんかも淡々と描かれてるんで、途中ちょっと退屈に思えたりしたところもあったけど、
最後には込み上げてくるものがありましたよ。
いい映画でした。
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