RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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レーピン展

2012-09-26 21:30:00 | 美術
見てきました

Bunkamura ザ・ミュージアム

会期は2012年8月4日から2012年10月8日。

今回はロシアの写実主義の画家、イリヤ・レーピン(1844-1930)
19世紀後半から20世紀初頭のロシアは文学でトルストイやドストエフスキー、
音楽ではチャイコフスキーやムソルグスキーなど数々の世界的な芸術家を輩出しました。
レーピンが生きたのはロシア革命に至る激動の時代。
そんな時代に近代ロシア絵画の旗手とし活躍、数々の作品を残しました。
今回は世界最大のレーピンコレクションを誇る国立トレチャコフ美術館所から、初期から晩年に至るまでの油彩と素描、約80点の展示です。

国立トレチャコフ美術館とBunkamuraっていうと、2009年に「忘れえぬロシア」という展示が。
いつもいつもたくさんの作品をありがとう
レーピンの作品をまとめてみるのは初めて。

率直に言うとかなりよかった
すごく好き。
画風はリアリズムですがその筆の巧みさに感嘆

ではでは気になった作品を。
まずは「自画像」がお出迎え。
なかなかダンディなお方です。
顔などはとても丁寧に描かれているのに、服は手を抜いたようにささーっと描かれています。
そのバランス感覚が見事。
伝えたいものは何なのかがすーっと分かります。

「ヴォルガの船曳き(習作)」
「ヴォルガの船曳き」はレーピンを一躍有名にした作品。
サンクトペテルブルク近郊のネワ川でボロを着た人たちが船を曳いている一方で、きれいな服で着飾った人々が余暇を過ごす、というところを見たレーピンはその光景に衝撃を受けたとか。
現地で取材し描かれた作品。
習作とはいえ全体的に漂う雰囲気やにじみ出る労働のつらさなどが素晴らしいです。

「皇女ソフィア 
ノヴォデヴィチ修道院に幽閉されて1年後の皇女ソフィア・アレクセエヴナ、
1698年に銃兵隊が処刑され、彼女の使用人が拷問されたとき」
すっごく長いタイトルですが。
レーピンが描いた初の歴史画。
皇女ソフィアを描いたものですが、イメージする皇女ではありません。
口を真一文字に結んで腕を組んだソフィア。
皇女ソフィアは、異母弟であるのピョートル1世の摂政を務めるも、のちに修道院に幽閉されてしまった人。
この作品をよく見ると、右側に描かれている格子窓。
ひ、人が逆さになってる!!!
心霊とかではなく、ロープで首をつられた人を描いているそうです。
ソフィアが幽閉された際、銃兵隊がソフィア擁護で暴動を起こしたようですが、鎮圧され、反乱者は見せしめに彼女の僧房の窓に吊るされたとか。
それに怒っているソフィアが描かれているのです。
威圧感たっぷりで見ているこちらもびびる……
着ている白いドレスは細部まで丁寧に描かれ、その素材、感触が分かるかのようでした。

「休息-妻ヴェーラ・レーピナの肖像」
ポスターにも使われている作品です。
モデルはレーピンの妻ヴェーラ。
ついつい寝てしまったのか、、ほほえましくも見えますが、X線での調査の結果、最初は目を開けていたとか。

「手術室の外科医エヴゲーニー・パーヴロフ」
この時代の手術ってことでも面白い。
よく見ると、白衣の男性が手にしているのは木槌!??
左手には銀色の棒のようなもの。
木槌でのみを叩いているようにしか見えません!!
恐ろしす!!

"どこにいても、何に熱中していても、どれほど夢中に何かを愉しんでいても、
美術はいつでもどこでも私の頭の中にあり、私の欲望の中にあります。
最良の、もっと密かな欲望の中に"

レーピンは、美術アカデミー在学中は常に上位の成績、卒業制作では金メダル、
かなりまじめで、なにより美術が大好きだったもよう。

素晴らしい作品だらけでとても楽しめる展示でした。



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