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目指せ!“宇宙の掃除屋さん”

2020-04-15 07:00:00 | 報道/ニュース

3月25日 NHK「おはよう日本」


スペースデブリ=宇宙ごみ(使用済みの衛星やロケットの破片)。
地球の周りには無数の宇宙ごみが飛び交っている。
これらが衛星などにぶつかると
GPSや通信が使えなくなるというリスクがある。
この宇宙ゴごみを掃除する新たなビジネスを世界に先駆けて起ち上げた企業がある。
宇宙ゴミの回収・除去を代行する企業 アストロスケールの岡田CEO。
オフィス内で開発されている衛星は宇宙ごみの回収専用の衛星。
実証実験に向けて今年中の打ち上げが予定されている。
(アストロスケール 岡田CEO)
「フライトモデルと言って
 もうすぐ打ち上げ前のもの。」
独自に編み出したのはごみを磁石で捕まえる方式である。
まず回収対象となる衛星などにあらかじめ磁石に付くプレートを取り付ける。
そして回収後の衛星に付いている磁石とくっつける。
その後 大気圏内に突入し一緒に燃え尽きるという仕組みである。
「磁石を使うのは岡田さんの発想?」
「そう 軽いし 安いし 切り離せる。
 ロボットアームだとごみに間違って当たるとスーッと飛んでいく。
 磁石だと最後自動的にくっついてくれる。」
岡田さんが宇宙ゴミビジネスを起ち上げたのは7年前。
当時IT企業の経営をしていた岡田さんの背中を押したのは強い好奇心だった。
「スペースデブリ=宇宙ごみ問題が喫緊の課題だと知って
 かつ 誰も“解”を持ってない。
 “なんて楽しそうな世界なんだろう”と。
 競合がいないというのは
 ブルーオーシャン(未開拓市場)だなと思った。」
いまや世界規模で宇宙ごみの問題が議論されるようになった中で
岡田さんは“キーマン”として一目を置かれている。
宇宙ごみの処分については国際的ルールが十分には整備されていないという。
そこで岡田さんは衛星の開発だけではなく
そうしたルール作りにも積極的に携わっている。
「世界中の宇宙機関・国と
 どういうことをすれば安全だと認めてもらえるのかを議論して
 それに沿った設計をやってきている。
 許可制度があるが
 許可をちゃんと取れて保険もつけられるようなものまで仕上げた。
 つまり“ビジネス・レディ=ビジネスにそのままいけるもの”にした。」
すでにアメリカ企業の衛星に磁石に付くプレートを取り付けてもらうことも決定している。
さらなる顧客の開拓を目指している。
「宇宙ごみ除去市場というのは
 1回サイクルに入れば
 ずっと定常的に利益が生まれるサービス。
 2030年にはデブリ(宇宙ごみ)除去というのが
 定常化されているようにしたい。
 世界の突破口が開けるんじゃないかと思う。」


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経済危機のアルゼンチンで“局所的なバブル”?

2020-04-14 07:00:00 | 報道/ニュース

3月24日 NHKBS1「国際報道2020」


新型コロナウィルスの影響で世界的な景気後退が懸念されている。
ところが南米のアルゼンチンではいま局所的なバブルが起きている。
アルゼンチンというと
巨額の対外債務を抱えて
通貨はこの1年でドルに対して半値以下に暴落するなど
極めて厳しい経済状況のはずなのだが
何が起きているのか。

アルゼンチン中西部の都市メンドーサ。
3月初め 中南米で最大規模のワイン祭りが開かれた。
新型コロナウィルスの影響が懸念されるなか
世界各国から15万人の観光客が訪れた。
(ベルギーからの観光客)
「この祭りに来たくて南米旅行でメンドーサに立ち寄ることにしたんだ。」
国内のワインの80%を生産するメンドーサ。
15年ほど前からこの地で営業してきたワイナリーで聞かされたのは
景気の良い話ばかり。
特に海外への輸出が好調で
去年は前の年を15%も上回ったという。
(ワイナリーのオーナー)
「アルゼンチンワインには価格競争力がある。
 これは市場拡大に向けた大きな武器だ。」
輸出が急増している背景には
皮肉にも経済危機による通貨ペソの値下がりがある。
海外に安くて品質の良いワインを提供できると
業界団体も自信を深めている。
(アルゼンチンワイン生産連盟 サンチョ会長)
「ワインの輸出が伸びれば
 この国の経済成長に貢献できると思います。」
バブルに沸くのはワイン業界だけではない。
中西部ネウケン州のバカムエルタ地区。
5年前から本格的に採掘がはじまったシェールオイルの油田があり
それを目当てに人口が急増している。
真新しいホテルやカジノも建てられ
いたるところに“ここには未来がある”という看板も。
この油田の埋蔵量は世界有数の162億バレル。
今後10年間で年間2兆円を超える輸出が見込まれている。
石油の採掘現場に近い地域には
仕事を求めて多くの人が集まり街ができている。
今年に入って採掘現場に近い地域に移り住んだ労働者やその家族は
4千人にものぼる。
「石油関連の仕事につけて満足です。」
中心都市のアニェロには石油関連施設で働くエンジニアが集まっている。
平均年収は日本円で600万円ほど。
国内の最低賃金の30倍ほどになる。
アニェロで生まれ育ったフェラーダさん(21)。
去年 高校卒業後 石油会社に就職した。
月給は日本円で20万円余。
今年に入って新車も購入。
将来の夢はエンジニアになることだという。
(フェラーダさん)
「満足です。
 仕事して車が変えました。
 もっと昇進したいです。」
局所的なバブルともいえるこうした状況が
破綻寸前のアルゼンチンを救うことができるのが。
専門家は
外貨を稼いでもでもすぐに使い切ってしまう政府の体質を変えなければ
経済危機を脱するのは難しいと指摘している。
(石油エコノミスト モンタマタ氏)
「アルゼンチンの構造的な問題を解決するためには
 政府が長期的な視野で法を整備し
 負債問題を完全に片づけなければなりません。」

 

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国連 EU 動植物を絶滅から守るために

2020-04-13 07:00:00 | 報道/ニュース

3月23日 NHKBS1「国際報道2020」


地球上では百万種もの動植物が絶滅の危機に瀕しているとも指摘されている。
そうした動植物を守るために
国連とEU(ヨーロッパ連合)が新たな取り組みに乗り出した。

3月 国連とEUは絶滅の危機に瀕する動植物を守るため
世界中の水族館や動物園などに協力を呼び掛けた。
(UNEP国連環境計画 アンダーセン事務局長)
「自然を救うためには
 人々に訴えかけて政治を動かさなければなりません。」
展示や自然教室などを工夫してもらい
市民の生物多様性への理解を深めてもらうのが狙いである。
いち早く参加を表明したのが
100年以上の歴史を持つモナコ海洋博物館。
併設された水族館では長年 子どもたちへの教育に力を入れてきた。
とりわけ人気なのが
さまざまな海洋生物に実際触れることができる教室である。
(参加した女の子)
「サメに歯はあるの?」
(学芸員)
「ええ もちろん。
 だから気をつけてね。
 サメは生まれた時から自分で狩りをするんです。」
(女の子の母親)
「娘はたくさん質問して
 とても興味を持ったと思います。」
ここではユニークな展示も行っている。
水族館の一角にある水槽は
海でのプラスチック汚染の実態を伝えている。
海の生物に深刻な被害を与えているプラスチックごみの展示。
海洋汚染について考えてもらうためである。
単なる展示を超えた取り組みも。
(担当者)
「これはもう水族館というより病院です。
 ウミガメや傷ついた海の生物を治療できます。」
プラスチックを誤って食べるなどして傷ついたウミガメを保護し
治療をするための施設である。
ここから自然に帰すことを目指す。
海洋博物館では地元の住民たちも重要な役割を果たしている。
漁業組合の組合長 ガンバさんは仲間の漁師たちとともに
ウミガメの調査に協力したり
傷ついたカメの保護を手伝ったりしている。
(漁業組合 組合長 ガンバさん)
「漁業者が博物館と連携するなんておかしいと思うかもしれないけど
 うまくいくんだよ。
 我々が最も多く海に行くからね。」
海洋博物館の責任者は
生物多様性が危機に直面するなか
博物館に求められる役割は大きく変わってきていると指摘する。
(モナコ 海洋博物館 海洋政策責任者 デュフォルノさん)
「私たちは訪れる人たちを引き続き楽しませていきます。
 同時に人々には人間の活動によるさまざまな問題に気づいてもらい
 自然を守るための解決策を
 ともに見つけ出してもらわなければなりません。」



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何事にも終わりはある

2020-04-12 07:00:00 | 報道/ニュース

3月22日 読売新聞「編集手帳」


平安神宮のそば、
京都・岡崎の地に日本で2番目の公立美術館が開館したのは1933年秋のことである。

昭和天皇即位の大礼を慶祝する記念事業として発案され、
建設費は市民らの浄財で賄われた。
以来80余年、
年史をめくるとつらい記憶も綴られている。
戦後は進駐軍に接収され、
大陳列室はバスケットボールのコートになった。
美の殿堂に、
兵士が慌ただしく出入りするさまが美術家たちの気持ちに暗い影を落としたのだという。

このたび、
111億円もの巨費を投じて大改修され、
本来ならきのうが再オープンの日だった。
帝冠様式と呼ばれる和洋折衷の外観を生かしつつ、
ガラスをふんだんに用い、
現代的に味付けした種々の空間が、
話題を集めていた。

京の都が最も華やぐ季節が来た。
あちこちで花びらが舞い、


でる人らの笑顔も咲く。ほんの数か月前まで、過ぎた喧噪に難渋していた街は今、
言葉にしづらい空気が流れている。

「ほっとした喜びからか、
 玄関でしばしぽかんと立ち尽くした」。
6年間の接収後、
美術館を訪れた陶芸家の言葉が染みる。
何事にも終わりはある、
と自らに言い聞かせる。

 

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沖縄恩名村 琉球BBQ Blue

2020-04-11 20:31:17 | グルメ

 

 

 

 

 
               (食べログより)

   

 

Kafuu Resort Fuchaku CONDO・HOTEL アネックス棟 12F
沖縄自動車道 石川I.C. から車で10分 


 https://www.kafuu-okinawa.jp/restaurant/blue/ 

 

 

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介護の負担減へ 少林寺拳法を活用

2020-04-11 07:00:00 | 報道/ニュース

3月21日 NHK「おはよう日本」


戦後 日本で生まれた武道 少林寺拳法。
発祥の地 香川県多度津町にある総本山少林寺。
ここでは去年4月から
腰に負担がかからないように
少林寺拳法の技を応用した介護の研修が行われている。
少林寺拳法をもっと社会に役立てることはできないか
という思いから始めたということである。
(少林寺拳法グループ 宗代表)
「少林寺拳法の初級の使い方だけで
 介護で今苦しんでいる人たちが楽になる技術のベースができた。
 誰でもできるんだということを広めていきたい。」
少林寺拳法では筋力が少ない人でも相手の重心を崩したり
逆に相手の力を利用して倒す技が多くある。
それを介護の中の動作に取り入れたのである。
たとえば
座っている人を立たせる動作。
無理に持ち上げようとすると
腰に大きな負担がかかる。
そこで相手の重心を崩す技を取り入れた。
体がまっすぐな状態の相手を
前のめりにさせて重心を崩すと
倒れやすくなる。
これを応用して
相手の体をあらかじめ前傾姿勢にしておくと
より少ない力で立たせることができる。
研修の参加者もこの技を活かした起こし方を習い
腰への負担が少ないことを実感していた。
また寝ている人を起こす動作には2つの技が使われている。
1つは投げ技。
少林寺拳法の投げ技では
両足で立っている相手を片足の状態にすることで
体重のかかる部分を1点に集中させる。
そして体勢を不安定にしたうえで投げ技をかける。
次に突き技。
体の下半身を先にひねることで
上半身の動きに勢いがつく。
技を取り入れた動作で寝ている人を起こしてみる。
腕を胸の前で交差させ膝をたたむことで
体が丸まったうえに体重がかかる部分が小さくなり
相手が動かしやすくなる。
そして下半身を先にひねって倒すことで
上半身を起こす勢いがついて
楽に起こすことができる。
(参加者)
「今までヨイショって腰にすごく負担がかかっていたのが
 なんか紙みたいにフゥって動くので
 びっくりしました。」
「力を使わずに
 腰痛にもならずに介護できれば
 楽に介護ができて
 介護人材の離職にもならないのでは。」
研修では
家庭で介護にあたっている高齢者や女性にも簡単で出来ると好評だった。
また力づくで動かすのではないため
介護される側も嫌がる人が少なく
介護「する側」と「される側」のお互いの負担を減らせるという。
主催者側では今後も研修を通じて介護のやり方を広めていきたいとしている。
(少林寺拳法グループ 宗代表)
「介護する側がいま注目を浴びていますけど
 介護する側もされる側もお互いに楽になり
 お互いがそのことに対して気を使わなくていいような
 そのことに対して嫌だなとか大変だとか
 そういう思いからは解放できるようなものにつながれば。」
相手を倒すための少林寺拳法の技。
介護の現場にいる人たちを腰痛から解放する技として広まっていくのか
注目される。

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沖縄県那覇市 sakurazaka/ハイアット リージェンシー 那覇 沖縄

2020-04-10 13:54:52 | グルメ

 

 

 

 
               (食べログより)

 

那覇空港より車で約20分
ゆいレール「牧志駅」より徒歩約7分


 http://hyattregencynaha.jp/restaurant/sakurazaka.html 

 

 

 

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麦茶を世界の“MUGICYA”に

2020-04-10 08:00:00 | 報道/ニュース

3月18日 NHK「おはよう日本」


日本からの緑茶の輸出は増えているが
麦茶となると海外での知名度はそこまでない。
ところが最近
この麦茶も輸出しようという動きが出てきた。

麦茶の原料となる二条大麦の生産量が日本一の佐賀県。
唐津市に本社を構える昭和40年創業の中小企業。
自社で焙煎した麦茶を国内で販売してきた。
三栄興産の緒方社長。
国内の販売先が縮小するなか
10年前 海外への輸出を始めた。
(三栄興産 緒方社長)
「海外のローカルの主なスーパーマーケットでは
 麦茶は一切売られていなかったんです。
 これから頑張らなきゃという気持ちになりました。」
海外で売り上げを伸ばすため
緒方さんは徹底して現地の食習慣を研究した。
中国では冷たいお茶を好まないため人肌くらいの温かさに。
ベトナムではコーヒーを濃く甘くして飲む習慣があるため
麦茶も濃く抽出しさらに練乳も加えた。
こうした努力を積み重ね
輸出は12の国と地域に。
海外での売り上げは全体の1割を占めるまでになった。
次に狙うのはシンガポール。
ここで麦茶を定着させ
世界への波及効果を狙う。
2月に緒方さんは現地の好みを探りにスーパーへ向かった。
「コーヒーも一面ミルク入り砂糖入り。
 これ全部ですよね。
 端から端まで。
 甘いのが好きなのかもしれないですね。」
大型スーパーでのプロモーション。
好みに合わせここでも麦茶に練乳を入れた。
果たして・・・
「あまりおいしくないわ。」
予想に反し“甘すぎる”というのである。
そこで麦茶本来の味で勝負することにした。
すると
「お茶のすっきりした感じが好き。」
「お茶に砂糖はいらないわ。」
実は糖尿病が社会問題化していたのである。
健康意識の高まりに商機を見出した緒方さん。
世界で麦茶をより身近な存在にしていきたいと考えている。
(三栄興産 緒方社長)
「SUSHI TEMPURAのように
 “MUGICYA”も世界に通じる言葉になってほしい。」

 

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海運業界 “自然エネルギーに立ち返ろう”

2020-04-09 07:00:01 | 報道/ニュース

3月17日 NHKBS1「国際報道2020」


ベルギー北部の港に入港した貨物船。
普通の船にはない工夫が施されている。
貨物船の甲板に設置されているのは
“ローターセイル”と名付けられた高さ18mの柱状の帆である。
フィンランドに拠点を置くベンチャー企業が開発した。
利用するのは「マグナス効果」と呼ばれる物理現象。
柱を回転させることで
船の側面から受ける風を前に進む力へと変える。
この貨物船では5年前から導入。
天候にもよるが平均して年間5%ほどの燃費向上につながるという。
(船長)
「わずかな差かもしれませんが
 “塵も積もれば山となる”です。」
海運業界ではこうした自然の力を利用する技術開発が相次いでいる。
全長136mの巨大な帆船の開発を進めるのはフランスに拠点を置く企業。
エンジンの動力に加えて風の力を利用することで
温室効果ガスの排出を大幅に削減できるとして
来年の完成を目指している。
(ヨーロッパ船主組合 事務局長)
「海運業界は
 どうすれば温室効果ガスの排出を早急にゼロにできるか
 提案したいのです。」
そして3月
一隻の船がフランス北西部の港を出港した。
いっさい温室効果ガスを排出しない「エナジー・オブザーバー号」。
元ヨットレーサー ビクトリアン・エルサールさんらが
レース用のボートを改造して作った。
船体のいたるところには太陽光パネルがあり
風力を推進力や電力に変える帆も搭載している。
さらに
(船長 エルサールさん)
「ここには燃料電池という“宝物”がある。
 日本の技術だよ。」
最大の特徴が
水素から電気を作り船の動力源にしていることである。
トヨタの燃料電池車「MIRAI」の電池を積んでいる。
水素は海水から取り出す。
その工程で使う電力は太陽光や風力からつくる。
太陽光に風力そして水素を組み合わせることで
燃料電池を利用した船としては世界でも初めて
エネルギーの自足自給を実現した。
航海を続けながら
ナビゲーションシステムからシャワー室やキッチンなど
船内で必要なエネルギーもすべて賄う。
フランスを出発した後
大西洋 太平洋を横断し
向かうのは日本である。
オリンピックが開かれる7月の到着を目指し
排出ゼロの技術の実証とPRを行なうのが狙いである。
(トヨタ 技術担当者)
「我々の燃料電池の海での利用は初めて。
 データを集める貴重な機会です。」
(船長 エルサールさん)
「この航海でメディアや企業 市民 政策などがひとつになるのです。」

「エナジー・オブザーバー号」は
7月に日本に到着した後もさらに航海を続けて実証実験を行い
合わせて4年にわたってデータを収集していく。
IMO(国際海事機関)は
温室効果ガスの排出量を半ばまでに50%減らし
できるだけ早くゼロにすることをかざしている。
 

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アメリカが警戒する中国の「千人計画」

2020-04-08 07:00:00 | 報道/ニュース

3月17日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


アメリカ政府は
中国によるサイバー攻撃や産業スパイなどの取り締まりに力を入れているが
近年 注視しているのが中国の「千人計画」である。
「千人計画」は中国政府が2008年に打ち出したプロジェクトで
国外の優秀な科学者や専門家を中国に招き
高度な技術や知識を得る代わりに高額な報酬などを提供する。
アメリカではこの「千人計画」を通じて
知的財産や先進技術が不当に中国に流出していると
警戒する動きが強まっている。

アメリカの名門ハーバード大学。
ここで1月 全米を揺るがす事件が起きた。
科学学部の学部長を務めるチャールズ・リーバー教授が逮捕されたのである。
ナノテクノロジーの権威としてノーベル賞候補にも名前が挙がるリーバー教授の逮捕に全米が驚愕した。
(司法当局 健司)
「教授は中国の千人計画に参加していた。」
リーバー教授はアメリカ国内で国防総省などの政府機関から多額の研究費を受けていた。
しかしその裏で
中国の大学や中国政府とも千人計画の契約を交わしていたのである。
日本円にして毎月500万円余の報酬に加え
年に1,500万円を生活費として受け取っていた。
外国から資金を受ける科学者はアメリカ政府に説明の義務があるにもかかわらず
教授は中国との関係を隠して
虚偽の説明を行ったというのである。
近年 アメリカ連邦議会では千人計画を問題視する声が高まっている。
国内の科学者が大勢千人計画に参加し
情報が流出していると危機感が強まっているのである。
(カーパー上院議員)
「千人計画は
 アメリカが開発した技術の所有権を中国に与えるものです。
 さらに中国は参加する研究者に関係を隠すよう求めています。」
こうした声を受けて司法省とFBIは
「チャイナ・イニシアチブ」と呼ばれる対策チームを起ち上げ
取り締まりを強化している。
リーバー教授だけでなく
核兵器の開発を担うロス・アラモス研究所の科学者や
海洋大気局の研究者など
千人計画の参加者を虚偽の説明という容疑で逮捕してきた。
千人計画への参加自体は違法ではないため
“アメリカ政府に虚偽の説明をした”という容疑をかけて
逮捕に踏み切っているのである。
(チャイナ・イニシアチブ ラリング検事)
「米中の学術協力への悪影響の懸念は否定できません。
 中国が行うアメリカからの技術収奪には
 取り締まりが必要なのです。」
しかし司法省の取り締まりの手法に
批判の声も出ている。
元検事のザイデンバーグ弁護士は
“虚偽の説明”という容疑は恣意的な逮捕を招く危険性があるという。
(ザイデンバーグ弁護士)
「操作本来の目的は新技術の中国への流出の取り締まりです。
 しかし逮捕された科学者らは
 ただ報告を誤っただけです。」
千人計画の捜査による冤罪事件の被害者も声をあげ始めている。
テンプル大学の物理学者 中国系アメリカ人のシャオシン・シー教授。
シー教授は5年前
企業秘密にあたる情報を中国に渡した疑いでFBIに逮捕された。
ところがその後 企業秘密ではないことが判明し
釈放されたのである。
(テンプル大学 シー教授)
「誰かが責任をとらなければなりません。
 また同じことが起きてしまいます。」
シー教授は司法省を訴えて
事件の責任を追及。
千人計画に関連する取り締まりの強化は
自由で開かれた学術研究の場に深刻な影響を及ぼすと
警鐘を鳴らしている。
(テンプル大学 シー教授)
「当局の捜査対象になると
 とても苦しい立場に追い込まれます。
 特に近年
 中国と協力している人は誰でも標的になります。
 非常に恐ろしい状況です。」



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光が迎えに来るはずだ

2020-04-07 07:00:00 | 編集手帳

3月14日 読売新聞「編集手帳」


詩人の杉山平一さんは東日本大震災の翌年に他界した。
享年97。
亡くなる直前に出した詩集の表題作「希望」は、
つらい思いをした人に心を寄せている。

<不幸や悲しみの
 事件は
 列車や電車の
 トンネルのように
 とつぜん不意に
 自分たちを
 闇のなかに放り込んでしまうが…>。
物理の法則とは逆に、
トンネルのほうから動いて人々を闇に包むかのように書いている。

東京五輪の聖火がギリシャで灯(とも)された。
日本で聖火リレーがスタートするのは被災地の福島である。
走者がトーチで掲げる明かりはトンネルを遠くに追いやる力となろう。

残念ながら笑顔の満ちるはずの出発式は無観客となり、
沿道での観覧自粛も呼びかけられている。
ただ、
心のうちは明るくして復興の火が全国を巡る日々を見守りたい。
わが街をランナーが駆けているのに、
飛び出て行きたい気持ちを抑えるのはなかなか大変なことだろう。

杉山さんの「希望」はこう結ばれる。
<我慢していればよいのだ
 一点
 小さな銀貨のような光が
 みるみるぐんぐん
 拡(ひろ)がって迎えにくる筈(はず)だ
 負けるな>。
ウイルス禍のトンネルも同じだろう。

 

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神戸の街に息づく「やさしさ」

2020-04-06 07:00:00 | 報道/ニュース

3月13日 NHK「おはよう日本」


異国文化の玄関口 神戸。
街は異なる暮らしや人を受け入れながら発展を続けてきた。
多様な文化が息づく街には
さまざまな人の気持ちに寄り添うやさしい思いやりの心が育まれている。

港町 神戸。
古くから貿易港として栄え
さまざまな国の文化や多様な考え方を取り入れてきた。
その心意気はいまも街に息づいている。
東灘区のヘアサロン。
オーナーのTOMOMIさんは
3年ほど前から
イスラム教徒の女性がサロンを利用できるように対応している。
イスラム教徒の女性は髪を隠す“ヒジャブ”という布をかぶっている。
家族以外の男性の前ではヒジャブを外せないため
日本では利用できるヘアサロンが少ないという。
(TOMOMIさん)
「私がもし海外に行って
 ちょっと髪の毛を切りたいなと思ったらどこでも行けると思うんですよ。
 でも行けない女性がいるというのがすごくびっくりしましたね。」
「今日はどんな髪形にしましょうか?」
「今日は少し髪を切って
 段をつけて
 カラーリングしたいです。」
外から姿が見えないよう
カギをかけてカーテンを閉める。
ヒジャブを外し
おしゃれのための大切なひとときを過ごす。
(客)
「すばらしいです。
 満足しています。
 ほかの男性に見られるという不安がなく
 ヒジャブを外せるので
 とても快適です。」
(TOMOMIさん)
「どこの国の方でも
 何か使えないものがある人のことでも
 いろいろ考えて
 みんなにやさしい美容室を目指しています。」
靴づくりが盛んな神戸。
ここでもやさしさが足元のおしゃれを支えている。
長田区で50年以上靴を作り続けてきた工房。
履き心地が良い靴をより多くの人に届けたいと
ひとりひとりのニーズに合わせた靴づくりをしている。
(靴メーカー 高山代表取締役 )
「快適さ
 痛くない ストレスのない時間を作るというのが
 僕たちの大きな役割だと思っています。」
この工房の靴でおしゃれを楽しめるようになった女性がいる。
神戸市に住むSAKURAさんは
脚の指に血管腫があり右足に常に包帯を巻いている。
SAKUSAさんの左足のサイズは24,5センチ。
しかし右足は包帯などで足の甲の部分が高くなり
市販の靴で合うサイズは28センチである。
そのため男性用のスニーカーを履いていた。
今年成人式を迎えたSAKURAさんは振袖に合う履物がはけないため
はじめは式への出席をあきらめていた。
(SAKURAさん)
「正直出たくないと思っていました。
 振袖も着られないし
 行ったって と思っていました。」
成人式に合う履物はないか。
SAKURAさんが注文したのはブーツだった。
でき上ったブーツは両足のサイズがほぼ同じで
右足は甲の高さに合わせて通常より生地を大きく切り出して作られている。
成人式に出席したSAKURAさん。
ブーツに合わせて袴を選んだ。
(SAKURAさん)
「すごく楽しかったです。
 高校の時の友達とも会えたし楽しかったです。
 お母さん泣きながら喜んでくれて
 家族もみんな喜んでくれました。
 もうずっと毎日のように履いてますね。」
さまざまな文化や個性 考え方に寄り添ってきた街 神戸。
ひとりひとりに向けたやさしさがこの街にあふれている。

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ミニチュアの世界

2020-04-05 07:00:00 | 報道/ニュース

3月13日 NHK「おはよう日本」


爪とほぼ同じ大きさのノート。
背表紙には1本の針金を丁寧に通してある。
机やいす
筆の毛先まで精巧に再現されている。
アップルパイも本物と見間違えるほど。
作ったの北海道砂川市出身のミニチュア作家 MEGUMIさん。
ミニチュアに出会ったのは17年前。
陶芸教室の講師だったときだった。
偶然作った小さな急須が生徒から好評で
以来ミニチュアにはまっていった。
(MEGUMIさん)
「小さいものって美術に興味のないおじさんに見せても
 “すごい”となってくれるから
 みんなが見てびっくりして喜んでくれるのが魅力。」
MEGUMIさんが注目を浴びるきっかけとなったのが
一昨年から作っているミニチュアの切子グラスである。
ミニチュアの切子グラスは直径1センチのアクリル棒を削って作られ
紙1枚ほどの薄さにしていく。
磨く作業では作品を傷つけないよう綿棒を使用する。
特に大変なのが彫刻。
太さは何と0,2~0,5ミリ。
作品が途中で折れたり欠けたりしたら1からやり直さなければならない。
こうして1日に1つしか作れないミニチュアの切子グラスが完成する。
(MEGUMIさん)
「手元では1ミリの狂いでも
 本物のグラスの大きさとしてとらえた時に
 だいぶずれてしまうので1ミリずれると
 そこは ずれないように。」
MEGUMIさんがSNSに写真をあげると
たちまち話題に。
アメリカなど国内外から問い合わせが相次いだ。
“私に売ってくれませんか?”
(MEGUMIさん)
「海外から“それほしいんだけど”みたいな感じのことが英語で書かれたりとか
 インスタグラムには何語ですかって人からも。
 これはいいぞ!って。」
MEGUMIさんを家族も応援。
制作に1日中費やしたりイベントで道外に出たりすることもあるが
手の空いている人が家事をするなどしてサポートしている。
(夫)
「自分の力で作ったものを自分で発信して
 世界に向けてやっている。
 頑張り続けているのは尊敬しますね。」
(長男)
「お母さん ミニチュアマスター。」
いまでは海外のミニチュアショーからも声がかかるMEGUMIさん。
将来 子どもたちと一緒に行けることを目標にしている。
(MEGUMIさん)
「砂川という町の2階の隅っこで作っているものでも
 世界の人に認めてもらえたり
 何でも頑張れば
 どこにいたって求めてもらえると子どもに上手く伝えていけたら
 子どもの未来が
 選択肢が増えて楽しくなるのかななんて。」

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花を愛するひと

2020-04-04 07:00:00 | 編集手帳

3月12日 読売新聞「編集手帳」


いつも社内をうろうろして書くことを考えているせいか、
腰が落ち着かない。
自宅にこもるのがテレワークのはずが、
きのうは近くの公園を散歩してしまった。

大きな梅の木がまだ、
てっぺんまでピンクの花をつけていた。
香気のなかを歩くうち、
驚いたのはソメイヨシノの並木の一本が花を結んでいたことだ。
おなじみの春の使者が2輪、
枝の先にいた。

梅がもう少しがんばれば、
ソメイヨシノとの競演もありうるかもしれない。
かと思えば、
すでに満開の桜もあった。
早咲き種のカンヒ(寒緋)ザクラが濃い紅色の花を風に散らしていた。

そこでは3人のマスク姿のお母さんが、
シートを広げてピクニックをしていた。
子供たちは草むらで転げ回って遊んでいる。
学校が休みとなり、
家にばかりいてはよくないので空気のきれいな公園でお花見をしましょう――。
お母さんたちが交わした言葉はたぶん、
そんなところだろう。

太宰治の一節を思い出す。
<ぽかんと花を眺めながら、
 人間も、
 本当に良いところがある、
 と思った。
 花の美しさを見つけたのは、
 人間だし、
 花を愛するのも人間だもの>
(「女生徒」)

 

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米 広がる格差に待った!

2020-04-03 07:00:01 | 報道/ニュース

3月12日 NHK「おはよう日本」


アメリカ大統領選挙の民主党の候補者選びでも争点の1つになっているアメリカの格差問題。
国民のたった0,1%の超富裕層が圧倒的に富を握る一方で
健康保険の未加入が2千万人にのぼるという格差社会のアメリカ。
この状況に“待った!”をかける声が出始めている。

首都ワシントンの若者が多く住む住宅街。
この地区でひとり暮らしをするヘイゲンスさん(28)。
教育関連の会社で働くヘイゲンスさん。
ワンルームの賃料は17万円。
給料の半分近くを占めている。
家が貧しかったため大学へ進むために借りた30万円超の学費ローンの返済もまだ終わっておらず
将来の見通しはなかなか立たないという。
(ヘイゲンスさん)
「同世代はみんなマイホームや家族を持ちたいと言っていますが
 私にはローンも家賃も医療費もあるので
 難しいですね。」
今アメリカではヘイゲンスさんのように
格差の固定化に反発する若者が増えていると言われている。
(ヘイゲンスさん)
「こんな状況が許されるなんておかしいです。
 一部の富裕層のためではなく
 誰もが豊かになる社会にするべきです。」
富を握る側からも
格差社会を見直そうという動きが出始めている。
従業員200人のベンチャー企業 グラビティ・ペイメンツを率いる
プライスCEO。
プライスさんは社内の格差をなくすために大胆な改革を行なった。
従業員の間で広がっていた給与格差を見直すため
社員の最低年収をそれまでの倍以上の730万円に引き上げ
プライスさん自身も報酬を1億円以上カットし
社員と同じ給与額にそろえたのである。
きっかけとなったのは
年収の少ない社員が勤務後にアルバイトをしながら
家賃や保険料を賄っていたことを知ったことだった。
(決済代行会社 グラビティ・ペイメンツ プライスCEO)
「道徳的に
 社員の生活費を満たす給与を経営者が支払うべきだと思ったんです。
 多くの人から“社会主義者”とか“バカげている”と言われましたけどね。」
給与格差を見直すことで社員は業務に集中できるようになり
会社の売り上げは5年間で3倍に増加した。
(社員)
「とても寛大なことです。」
「730万円もの年収が保証されたので
 私たちのやる気もアップしました。」
(決済代行会社 グラビティ・ペイメンツ プライスCEO)
「経営者はつい“もう少しお金が欲しい”と思いがちですが
 それをやめる時が来たのです。」

行き過ぎた格差を是正しようという経営者はアメリカでも増えていて
去年“株主最優先からの転換”を表明した主な企業は
GM アップル Amazon フォード  Boeing IBM United Airlinesなど。
労働者に報いるよう待遇を見直していくと言明している。
従来のやり方が持続可能ではないと気づき始めている。
 


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