10月7日 NHK「おはよう日本」
リモートワークでイヤホンの売り上げが好調である。
音質の良さが売りのハイレゾ。
ある小さな企業の製品が今注目を集めている。
開発のカギはガラケーである。
東京 秋葉原にあるイヤホン専門店。
大手の製品がひしめくなか
ある中小メーカーの製品がこの店の優先イヤホンの販売で1位に。
音質の良さが売りのハイレゾイヤホン。
数万円するものが主流となるなか
4千円という低価格を実現。
音の細部まで聴こえる鮮明さを武器に売り上げを伸ばしている。
(イヤホン・ヘッドホン専門店 e☆イヤホン)
「音がものすごくクリアで
価格を聞いてさらにびっくり。
この価格でこの音が出せるのか。」
このイヤホンを開発した会社は群馬県高崎市にある。
4年前に創業。
社員はわずか5人と小さいながら
手がけたイヤホンは次々にヒットしている。
社長の渡部さん(57)。
低価格を可能にしたのは“圧電セラミックス”と言われる部品である。
「電気を加えるとこのように振動します。」
振動によって高い音を発生させることができ
魚群探知機の超音波センサーなどに使われている部品である。
従来
イヤホンで高音を出すための部品はコイルと磁石から作られていた。
補聴器などにも使われる複雑なもので
単価が高くなってしまう欠点があった。
そこで渡部社長は
安価な圧電セラミックスを代わりに使えないかと考えた。
(オーツェイド 渡部社長)
「セラミックの独壇場になる。
1回自分たちの会社で作ってみようと考えた。」
圧電セラミックスはかつて携帯電話のスピーカーとして採用されるなど活用が広がった。
しかし低い音がうまく出ないという弱点があり
近年スピーカーとしてはあまり使われなくなっていた。
もともと大手メーカーで圧電セラミックスの研究開発を手がけていた渡部社長。
圧電セラミックスで出す音を高い音に限定し
低い音は他の部品で補うことで
コストを抑えながら高い品質を実現したのである。
渡部社長は
大手が見捨ててしまった技術の中に革新的な製品を生み出すヒントがあると考えている。
(オーツェイド 渡部社長)
「1点だけでいい。
“大手にここだけは絶対に負けない“
的を絞るのが中小企業にとって大事。
1点突破で勝ち続けるのが大事。」