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南アフリカの国花 輸出回復へ期待

2020-10-28 07:00:28 | 報道/ニュース

10月6日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


去年日本で開催されたラグビーW杯。
優勝した南アフリカのチームのユニフォームの胸元に描かれたエンブレム。
南アフリカの国花 プロテアである。
新型コロナウィルスの感染拡大で低迷していた輸出が10月から本格的に再開。

アフリカ大陸のほぼ最南端 ケープタウン。
その郊外にはワインのためのブドウ畑など豊かな田園風景が広がっている。
この一帯ではプロテアの生産も盛んで
今その収穫が最盛期を迎えている。
プロテアは南アフリカなどの南半球のいくつかの国が原産で
約100種類あると言われている。
地元の花屋でもいくつもの種類が売られていて一番人気である。
(生花店 店長)
「値段が一番高いのがプロテアです。
 売れ行きも良く
 愛好家もかなりいます。」
50年ほど前から商品化されるようになり
今では120以上の農家が年間3,500以上を国外に輸出し
その金額は日本円で約3兆円にのぼる。
プロテアを栽培している農家の1人 ファンザイルさん。
父親の代からプロテアの生産しているが
需要の高まりを受けて13年前には栽培面積を2倍に広げ
年間150万本ほど生産している。
その9割が輸出され
大部分がヨーロッパ向けだが日本などアジア向けも増えている。
しかし新型コロナウィルス対策で3月下旬から続くロックダウンで大きな打撃を受けている。
一時は輸出がほぼできなくなり
出荷を諦めて廃棄したこともあった。
(プロテアの生産農家 ファンザイルさん)
「国の花を育てることができる人は限られていて
 大変誇りに思います。
 しかし育った花を仕方なく埋めて肥料にしました。
 なすすべがなかったのです。」
こうしたなか南アフリカ政府は感染の拡大に歯止めがかかったとして
国境を開くと発表。
(南アフリカ ラマポーザ大統領)
「我々は慎重に国際的な行き来の制限を解除する。」
10月になり約半年ぶりに国際便が再開した。
プロテアの輸出業者は
例年の半分ほどに落ち込んだ輸出量が回復することに大きな期待を寄せている。
(プロテアのジュ出会社 社長)
「これで日本や世界に花を届けられます。
 貿易などすべてが正常に戻ってほしいです。」
農家のファンザイルさんも輸出に向けた箱詰め作業に力を入れている。
(プロテアの生産農家 ファンザイルさん)
「すべてが再開して普通の状態に戻るのを本当に楽しみにしています。」

南アフリカでは3月下旬からロックダウンが始まり厳しい外出制限があったが
深夜の外出制限などを除いてほぼすべての規制が緩和され
現在は規制が最も緩いレベル1の段階になっている。
一連の規制の中にはワインの輸出や花の販売の禁止といった措置もあった。
こうした措置についても業界団体から
感染症対策とは関係が無くあまりにも非合理的と批判が高まったこともあり
政府はこれまでにすべて撤廃している。
ロックダウンがもたらした経済の影響は甚大である。
特に規制が最も厳しかった今年第2四半期については
GDPの落ち込みは前の期に比べて年率換算で50%超である。
もともと失業率も30%を超えているがさらに深刻化していると言われている。
10月になって半年余ぶりに国境が開き国際便の運航が再開したのは大きな節目である。
これによって外国からの観光客が戻ってくることによって観光収入の増加が期待されている。
また国外に退避していた外国企業の関係者の間からも戻ってくる動きが出ている。
こうした中でもプロテアの本格的な輸出の再開になっている。
一時期は感染者の数が世界で5番目に多く大きな傷を受けた南アフリカだが
国境が開くことによって立ち直りに向けた効果がどれほど出てくるのかが今後の注目ポイントになる。
 
 

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