9月8日 NHK「おはよう日本」
名古屋ではコーヒー豆を原料としながら見た目も味もこれまでとは全く違う飲み物が開発され注目されている。
お茶のような透明感。
でも原料はコーヒー豆。
独特の製法で作られた新しい飲み物である。
「ちょっとお茶っぽい苦みというか渋みも感じて
でもすごく落ちつく味だな。」
「もう全く違いますね。
今まで飲んだ近いものだと黒豆茶とか。」
この飲み物を開発したのは
コーヒー豆の研究を行なっている加藤さん。
もともとコーヒーに関心を持っていたわけではなかったそうである。
しかし8年前 姉の結婚相手の親族を訪ねてタイに行った時のこと。
一族が山岳地帯で経営するコーヒー農園でコーヒーの魅力に気づかされる。
(加藤さん)
「そもそも僕は
コーヒーというものが黒くて苦いものという固定概念があったんですけれども
原材料を見た時に赤い果実の種だったので
黒くないんだと。」
コーヒーの奥深さを感じた加藤さん。
帰国後 それまでの仕事を辞めコーヒー豆の研究を始めることにした。
コーヒーは“コーヒーチェリー”と呼ばれる実の種が原料である。
これを洗って乾燥させたものを焙煎することで褐色になっていき
香ばしいコーヒーになる。
焙煎次第でコーヒー豆の可能性を広げることができる。
加藤さんは焙煎をする前と後の成分を検査機関に調べてもらった。
すると焙煎するの前の豆には
クロロゲン酸という抗酸化作用があるとされる成分が
焙煎した後のコーヒー豆には約4,800倍含まれていることが分かった。
(加藤さん)
「健康成分がすごくもったいないと分析結果で分かり
1つの選択肢として
緑茶と紅茶のように
同じ原材料の茶葉で全く違う飲み物になっているものを
コーヒー豆に置き換えた。」
健康にいい成分をできる限り残した飲み物を作ろうと
加藤さんは焙煎方法の研究を始めた。
じっくり火が通せる遠赤外線や
一気に温度を上げられるガスを使った焙煎機など
さまざまな方法で加熱を工夫。
温度や時間
焙煎機の回転速度などを変えながら実験を繰り返した。
(加藤さん)
「主な成分が分解されないように温度をコントロールするところですね。
何百とおりとあったので
ひとつひとつ潰していきながら
何が有用なのか検討していった。」
加藤さんは愛知県の食品工業技術センターにも相談。
試作品の成分分析もしてもらいアドバイスを受けながら
焙煎方法を確立させていった。
そして7年の歳月をかけて完成させた。
県の研究センターで分析したところ
焙煎前の豆の約7割のクロロゲン酸を残っていることがわかった。
焙煎の温度が低いので豆に色がつかず透明感が出たのである。
さらにハーブティーや緑茶とブレンドするなど
これまでのコーヒーにはなかったの飲み方もできることも分かった。
加藤さんはこれからのもコーヒーの新しい可能性を切り開いていきたいと考えている。
(加藤さん)
「世界中でコーヒーというものは飲まれますから
コーヒー豆飲料の新たな選択肢としてスタンダードにしていきたいと思っている。」