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ロシア風サウナで癒しと交流を

2018-02-21 07:00:00 | 報道/ニュース

1月26日 キャッチ!


モスクワ中心部にある国内最大のバーニャ施設。
帝政ロシア時代の19世紀に建てられ内装は当時のまま。
一度に約400人が利用できるこの施設には年間数十万人が訪れる。
高温から頭を守るフェルトの帽子をかぶって建物の中を進むと
バーニャに入るドアが見えてくる。
バーニャの特徴はその異常なまでの体感温度。
室温の60度は日本の一般的なサウナの80度と比べて低めだが
湿度はサウナの15%よりかなり高い50%なのでかなり熱く感じ
やけどをするかのような体感である。
そのため激しく汗をかき
新陳代謝がより促されるという。
約千年前に書かれたロシアの文献にも登場するバーニャ。
“ロシア風サウナ”として人々に親しまれてきた。
設備の整ったバーニャ施設で見かけるのは“バーニャ係”と呼ばれる職人である。
バーニャ係となって11年 シュミロフ・アントンさん(37)。
バーニャの温度や湿度を理想的な状態に保つほか
マッサージなどのサービスや緊急の場合の応急手当てを行っている。
その伝統と技法は職人の間で受け継がれたもので
技を競うバーニャコンテストが毎年ロシア各地で開催されている。
1人前のバーニャ係になるには約5年の修業が必要だという。
シュミロフさんが手に持っているのは巨大な“うちわ”。
「火のそばに立っているようなすごい熱がやってきます。」
そしてバーニャで欠かせないもう1つのアイテムが
「ヴェニク」と呼ばれるカシの葉などで出来た束である。
上の方にたまった熱い空気を引き寄せ
体をたたいてマッサージをする。
伝統的なヴェニクの使い方は約10種類あり
激しくたたいたりなどして血行を促進する。
マッサージが終わると冷水をかぶり汗を洗い流す。
(バーニャ係 シュミロフ・アントンさん)
「お客は休息をとり魂も安らぎます。
 その手助けをできることが私の誇りです。」
こういった公共のバーニャでは日本円で約5,000円で2時間楽しむことができる。
バーニャは一般家庭でも気軽に楽しまれている。
モスクワ郊外に別荘を持つハイロフさん一家。
週に1度は一家そろってこの別荘に来て
備え付けのバーニャを楽しんでいる。
父親のマラーとさんは親に教えてもらった技法でヴェニクを使って子どもたちにマッサージを施す。
十分汗をかいたら体を冷やすためみんなで外に出て雪遊び。
(マルク・ハイロフ君)
「バーニャは好きだよ。
 みんなで楽しく話すことができるから。」
(マラート・ハイロフさん)
「みんなで楽しい時間を過ごし
 バーニャで家族はより仲良くなります。」
郊外にある貸し切りのバーニャ施設。
この日訪れたのは音楽を通じて知り合った4人の男性。
月1回はここを訪れ
裸になりお互いの絆を確かめ合うという。
(利用客)
「裸ですから
 当然ウソはつけません。
 私たちはすべてをさらけ出しますよ。」
裸の付き合いから生まれる強い信頼と結束力。
密閉した空間であるバーニャは
ソビエト時代から
政治や商談の重要な交渉が行われる場としても使われてきた。
(バーニャ施設経営者)
「昔から“バーニャに将軍はいない”と言われ
 中に入れば平等です。
 ロシアでは欠かせない交流の場なのです。」
寒さが厳しいからこそ心も体も温まるバーニャ。
ロシアの人たちにとって人と人との絆を育む大切な場にもなっている。



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