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エルサレム“首都”問題 日本の支援に影響

2018-02-08 07:00:00 | 報道/ニュース

1月20日 おはよう日本


トランプ大統領から就任して1年。
これまで自身の発言によって世界各地で波紋を広げてきた。
12月には中東のエルサレムを“首都”として認めると宣言。
イスラエルとパレスチナの関係が急速に悪化している。
その余波は日本が地域の安定を目指して行なってきた支援にも及んでいる。

パレスチナ暫定自治区 ヨルダン川西南にある街エリコ。
温暖な気候と肥沃な土地に恵まれ農業が盛んである。
豊富な農産物を加工して輸出することでパレスチナが経済的に自立できるよう日本は支援してきた。
日本が支援するパレスチナの工業団地。
日本は農産物加工団地にこれまで30億円余を投じてきた。
ナツメヤシを加工してトイレットペーパーなどを作る会社。
団地では一部の企業が操業し始めていて
将来的には6,000人の雇用を生むと期待されている。
(工場の従業員)
「パレスチナ人の多くは外国へ行かないと仕事を見つけられません。
 この団地はパレスチナに残る機会を与えてくれます。」
さらに日本は加工団地と隣国ヨルダンをつなぐ輸送専用道路の建設を計画している。
JICA国際協力機構では
専用道路を作り輸出の手続きを簡略化できないか
パレスチナを占領するイスラエルを交えた協議を仲介してきた。
(JICAパレスチナ事務所 三井裕子所長)
「西岸全体の物流がここに集まっていろいろなところに輸出されるハブになる。
 そういう意味でパレスチナ全体に役立つ道路だと確信しています。」
加工団地に進出したイフラス・サワルハさん(55)。
オリーブアイルから石鹸を作る会社を経営している。
特産のオリーブオイルにハーブやラクダのミルクなどを混ぜた独自の商品が
肌にやさしいと評判を呼び
欧米や日本への輸出している。
(サワルハさん)
「ここで生産量を増やして事業を拡大させたいです。」
良質なオリーブの産地として知られるパレスチナ。
2000年前からの段々畑も残っている。
共同のオリーブオイル製造所がいたるところにあり人々の暮らしを支えてきた。
しかしイスラエルとの間で衝突が起きるたびに物流が滞ってオリーブオイルを売れなくなり
農家は収入の減少に苦しんできた。
そこでサワルハさんは
余ったオイルを買い取り石鹸を作ろうと思いついたのである。
自宅に工房を構え
一から石鹸作りを学び
今では20の農家からオイルを仕入れている。
(サワルハさん)
「パレスチナの人たちを助けたかった。
 石鹸ならオイルより長持ちするので無駄になりません。
 すべて地元産なので地域全体に利益をもたらせます。」
しかし12月
(アメリカ トランプ大統領)
「エルサレムをイスラエルの首都と公式に認める時だ。」
これに反発するパレスチナ市民とイスラエル軍が衝突。
そのたびにイスラエルが治安の維持を理由に
パレスチナ各地で検問を厳しくし大渋滞も発生する。
日本が仲介してきた道路建設の協議も
政治的な緊張を理由に延期され
再開のめどはたっていない。
サワルハさんは陸路での混乱を避けようと小包を航空便で送っているが
輸送費が高くつくため道路建設を急いでほしいと訴えている。
(サワルハさん)
「私たちにとって専用道路はとても重要です。」
(JICAパレスチナ事務所 三井裕子所長)
「日本だけでなく
 パレスチナ・イスラエル・ヨルダンも目標は共有しているので
 実現できるよう努力し続けます。」
工場の新設にかけた費用は8,000万円以上。
このままでは経営への打撃は免れない。
それでもサワルハさんは
事業を続けることはパレスチナのために大切だと考えている。
(サワルハさん)
「私にできるトランプ氏への抵抗は
 事業を成功させ
 “メード・イン・パレスチナ”と書かれた商品を世界に広めること。」



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