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香港でコメ作り復活

2018-02-01 07:00:00 | 報道/ニュース

1月13日 おはよう日本


高層ビルが立ち並び国際的な金融センターとして知られる香港。
しかし狭い香港には農地がほとんどなく食料の多くは中国本土に依存している。
こうした中ほとんど途絶えていた香港でのコメ作りを復活させようという動きが出始めている。

香港中心部のレストランでは地元香港でとれたお米が人気を集めている。
この店は
日本、香港、フィリピン、台湾の4つの産地から好きなコメを選べる。
多くの客が地元香港産を注文する。
(客)
「ちょうどいい硬さです。
 香港人が作ったコメだと思うとおいしく感じます。」
「香港産のコメなんて聞いたことがないので
 食べて応援したいと思います。」
香港中心部にある摩天楼から車や船を乗り継いで約2時間。
豊かな自然が広がる二澳村。
レストランの米が作られている。
10人余が働き1年間に3トンのコメを収穫している。
1950年代には輸出できるほどコメ作りが盛んだった香港。
しかし経済成長と21年前の中国への返還をきっかけに本土から巨額の投資マネーが舞い込む。
農地が次々と高層ビルやマンションへと変わり
コメ作りもほぼ途絶えた。
コメ作りが再開したのは5年前。
本土から大量に入ってくるコメより安心・安全なコメを作ろうと
一部の住民が農業団体を設立し有機農業によるコメ作りを始めたのである。
(二澳 農作社 代表 黄永根さん)
「コメ作りを始めたのは
 “香港みずから農作物を育てるべきだ”と考えたからです。
 近くに工場はなく汚染もありません。
 水がきれいで稲作にふさわしい場所です。」
値段は輸入米より高い1キロ1,600円余だが
食への安全の意識が高まるなか売れ行きは好調だという。
そのコメ作りに20代の若者たちが加わり始めている。
その1人 黄雪媚さん(23)。
黄さんは
生活のあらゆる面で中国本土に依存していく現状に危機感を持ち
大学卒業後コメ作りに参加した。
(黄雪媚さん)
「新しいことを生み出そうと日々学んでいます。」
黄さんが本土に不信感を抱いたきっかけは
民主的な選挙の実現を求めた2014年の雨傘運動に参加してからだった。
運動は中国の圧力で抑え込まれたが
その後
自分たちでできることは何か
模索を続けてきた。
(黄雪媚さん)
「香港政府にすべて任せていてはダメです。
 自発的にやることが第一歩です。」
村では家族連れを対象に稲刈り体験のイベントが開かれた。
コメ作りを通して香港がいかに自立できるかを多くの人に考えてほしいと
黄さんら若者たちが中心になって企画した。
集まったのは約50人。
初めて稲刈りをする人もいる。
(参加者)
「初めてで楽しい!」
黄さんたちはこうしたイベントを毎月開いてくことにしている。
(参加者)
「米を作るところがもっと増えれば
 香港の農業は発展すると思います。」
中国の影響力が強まる香港。
独自のコメ作りに共感が広がり始めている。



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