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社員の気分を可視化 人材流出を防げ

2014-08-19 07:15:00 | ビズ プラス

8月10日 BIZ+SUNDAY

東京都新宿区のソフトウェア開発会社 アルバス。
この会社の社員にはちょっと変わった日課がある。
スマートフォンを取出し 操作・・・
ゲームのようにも見えるが・・・
パソコンにも怪しげなキャラクターが・・・。
実はこれはこの会社が開発した社員の気分を可視化するシステムである。
最高の“天使”から最悪の“ゾンビ”まで5種類のアイコンの中から自分の気分を選んで発信する。
「ここ数週間はエンジェルだったが先週ぐらいからゾンビが増え始めた。」
「出社した時点ではゾンビだったが
 作業していて分からなかったところが解決したのでゾンビの1個上に上がった。」
発信された気分は上司のもとへ。
部署ごとに分けられた地図には天使とゾンビのアイコンが表示され
職場の気分が一目でわかる。
社員1人1人の気分の変化はリアルタイムで把握できる。
開発のきかっけは第一線で活躍してほしいと期待していた若手社員が
会社や上司への不満を理由に次々と辞めていったことだった。
(アルバス 椎名千夏常務)
「うちみたいな100人弱の会社では
 1人2人でもそういう人間が辞めていくのは経営的に打撃。」
退職の意思が伝えられてからではもう手の施しようがない。
上司にはもっと早い段階で部下の気持ちの変化に気づいてほしいという思いから生まれた。
(アルバス 椎名千夏常務)
「上司が大丈夫かと聞いて
 部下が大丈夫ですというのを鵜呑みにしてしまう。
 あまり信頼してない人から大丈夫かと聞かれても
 あまり突っ込まれたくないから
 逆に大変ですと本音を言わず
 大丈夫ですとシャットアウトしちゃうとか。
 そういったところを上司は気づいてほしい。」
10人の部下を持つ小坂芳生ゼネラルマネージャー。
いま気がかりな部下がいる。
「ずっとゾンビ。
 仕事でもプライベートでも悩みを抱えている。
 しかも子育て世代なので板挟みになってる。」
その部下を喫茶店に呼び出した。
入社6年目 中川雄一さん。
取引先の企業に常駐してシステムの維持にあたっている。
小坂さんは中川さんのメールからも異変を感じ取っていた。
(上司 小坂芳生さん)
「一緒に仕事していた頃もらっていたメールは単なる事実だけじゃなくて
 こう思う ああ思う こうしたいってくれていたけど
 最近 全然そういうのがないよ。」
(中川雄一さん)
「こうしようと思ったことが正しいかわからなくなってきている。」
多い時は週に3回時には夜遅くまでプライベートな相談にものっている。
(上司 小坂芳生さん)
「職場が元気だからこそ新しい発想が生まれる 会社が前に進めると思っているので
 いろいろと問題は抱えているがそこに手をつけないと先に進めない。
 そこは覚悟を持ってやっている。 」

気をつけなくてはならないのはゾンビな気分が続いている社員だけではない。
入社25年目の齋藤雅巳さん。
システムが導入されて1年余
一度も自分の気分を発信していない。
(上司 保坂秀郎さん)
「願わくばボタンを押してほしい。
 ログインしたことすらないでしょ。」
(齋藤雅巳さん)
「その話が来たときは最悪の精神状態でしたから
 そんなものは見たくもない状態でした。」
当時 齋藤さんは配置転換後の仕事に悩み一時は退職も考えていた。
時間をかけたきめ細やかな対応が必要である。
(保坂秀郎さん)
「齋藤さん個人としても目標を見つけていくということだと思うんですよ。
 最近見失っていたものがようやく見えてきたって話だから。」
(齋藤雅巳さん)
「見えてきたといい切れるかどうか知りませんけども」
面談を繰り返すうち少しずつ心を開くようになってきた齋藤さん。
取引先との会話がきっかけで仕事にも前向きに取り組めるようになった。
(齋藤雅巳さん)
「私に残ってほしい手お客さんの方から言ってくれたし
 喜んでくれるならもう少し頑張ってみようかと。」
社員の気分を可視化するこのシステムをすでに数社が試験的に導入している。
(アルバス 椎名千夏常務)
「これをスタートにして双方がどれだけ近づいて
 お互いを分かり合うためのコミュニケーションを取っていくか。
 人間対人間の付き合いというところに尽きると思います。」



 

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