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中国への反発続く ベトナム

2014-08-20 07:15:00 | 海外ネットワーク

8月10日 NHK海外ネットワーク


ベトナムの国旗をかたどった揃いのTシャツを着た人たち。
首都ハノイの民間企業の社員たちである。
毎週 集会を開いて中国の行動を批判している。
「ベトナムの領土を守るぞ。」
「断固守るぞ。」
ベトナム国内での中国への反発は収まる気配がない。
(民間企業 副社長 タイ・ゴーラックさん)
「ベトナムの国民として一致団結して中国の違法行為に対抗したい。」
根強い反中国の感情。
ベトナムには1000年以上にわたって中国に支配を受けた歴史がある。
1979年には中国が国境を越えて侵攻し中越戦争が起きている。
中国への反発は教育の場へも影響を与えている。
ハノイにある公立の高校。
この高校では歴史の授業は選択制だが緊張の高まりを受けて受講したいという生徒が増えた。
35人の定員に対し今年の希望者は約5倍の164人にのぼった。
(高校の教師)
「“愛国心”とは闘争によって敵の侵略や武力に対抗すること。
 我々は団結して自らの城壁を守る。」
(生徒)
「歴史の授業を受けたことで国家の防衛についてより深く理解できた。」
さらに7月 全国一斉に行われた大学の入学試験。
中国に対する反発を反映したかのような問題が出題された。
パラセル諸島(西沙諸島)などでベトナムの漁師が漁業を行うのは国防上どんな意義があるのかを論ぜよ
地理の試験でベトナムの領有権を意識させるような問題が初めて出題された。
(受験生)
「このような問題は現在の情勢にあっていると思う。
 学生の意識を知る上でもふさわしい問題ではないか。」
一方で中国への反発は人々の生活にも表れ始めている。
看板には
中国製品は売っていません
と書かれている店。
店に並んでいるのは日本の菓子や韓国の商品。
これまで扱っていた中国製品を一掃した。
(客)
「私はこの店の方針を支持する。
 ベトナムの国民の1人として中国製品を売らない精神を尊重する。」
(店の担当者)
「当初は客の中に驚く人もいたが理由を知ると熱心に支持してくれた。」
しかしベトナムにとって最大の貿易相手国の中国と完全に関係を断ち切るのは難しいのが現実である。
ベトナムの主力産業のひとつ縫製業。
縫製メーカー 副社長 タン・ドゥック・ヴィエットさん。
工場で扱う商品の中には原材料の40%を中国からの仕入れに頼っているものもある。
業界団体の呼び掛けもあり
できれば仕入れ先をほかの国に変えたいと考えているタンさん。
しかしベトナムのメーカーの多くは近隣諸国との価格競争にさらされるなか
中国に代わる仕入れ先がないのが現状である。
(縫製メーカー タン副社長)
「仕入れ先の変更は1日や2日ではできない。
 原材料が滞ると1万人もの従業員が仕事にあぶれてしまう。」
隣り合う大国 中国とどう付き合っていくのか。
専門家はベトナム政府は難しい対応を迫られていると指摘する。
(ベトナム 元外交官 グエン・チュン氏)
「ベトナムを中国は経済的結びつきが深く
 しかも中国は巨大市場を持っている。
 大国で影響力も大きいためどんな国も中国を拒否できない。」

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