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こだわりの1杯 “サードウェーブ”日本進出

2014-08-14 07:15:00 | ビズ プラス

8月3日 BIZ+SUNDAY

 

第1の波 FIRST WAVE・・・コーヒー豆の大量生産が可能になり手軽にコーヒーが楽しめるようになった
第2の波 SECOND WAVE・・スターバックスなど
第3の波 THIRD WAVE・・コーヒー豆の産地など徹底したこだわり

サードウェーブを代表するアメリカのコーヒーチェーン ブルーボトルが日本に進出することになった。
今アメリカで大人気のコーヒーチェーン ブルーボトルの創業者 ジェームス・フリーマンさん(48)。
(ブルーボトルコーヒー ジェームス・フリーマンCEO)
「パリやロンドンも好きだが東京によりチャンスを感じた。
 パリのカフェでフランス人に
 『あなたたちはコーヒーのすべてを知っているわけじゃない』
 と言っても聞く耳を持たないだろう。
 新しいものを試すことに対する文化的な抵抗感があるからだ。
 東京はもっとオープンで新しいものを受け入れてくれる。
 私たちにとても有利な場所。」
ブルーボトルコーヒーは実は日本と深いかかわりがある。
サンフランシスコで小さなコーヒー店を経営していたフリーマンさん。
2007年に来日した時に知人に連れてきてもらった喫茶店に強い衝撃を受けたという。
アメリカでは機械を使って大量にいれるコーヒーチェーンが多いなか
注文を受けるたびに1杯ずつ手作業でいれていたからである。
(ジェームス・フリーマンCEO)
「その洗練と熟達と勤勉さには本当に圧倒された。
 威厳があり厳粛で私はとても大きな影響を受けた。
 この店のまねをするのではなく
 その伝統を取り入れて自分流に表現したかった。」
帰国したフリーマンさんは早速日本の喫茶店のやり方を取り入れる。
使うのは産地だけではなく畑にまでこだわったコーヒー豆。
豆の味を際立たせるため浅煎りにし注文を受けてから挽く。
豆の状態に合わせてお湯の温度などを調整しながら1杯ずつ手作業で抽出。
コーヒーが出てくるまで5分以上待たされることもある。
深煎りの豆を使った作り置きのコーヒーが当たり前だったアメリカではまさに常識破り。
価格は1杯約3ドルで他のチェーン店の1,5倍。
(客)
「ここのコーヒーは少し甘くて他のとは違う。」
「豆のひき方から出し方まですべてに気をつかっている。
 時間とお金をかけて来る価値はあると思う。」
味への徹底したこだわりが受け今ではサンウランシスコやニューヨークの郊外に店舗を増やしている。
(ジェームス・フリーマンCEO)
「産地や季節によって変わってくるコーヒーの個性を生かすのが私のやり方。
 コーヒー豆を煎る焙煎は原材料から商品に変化させる重要な作業。
 そのコーヒー豆の持ち味を十分に把握し
 自然な甘さやフルーツのような風味を100%引き出せるように努力している。
 コーヒーのことを考えるとワクワクする。
 ケニアからおいしい豆が届く、とか
 ブラジルの豆は旬だからまだまだ使える、なんて。
 コーヒーの味は様々でとても魅力的。
 次はどんな味に出会えるのか本当に楽しみ。」
今フリーマンさんが最も力を入れているのがバリスタの養成である。
店頭でコーヒーを作るバリスタ。
手作業でコーヒーをいれるこの店では味を決める重要な役割を果たす。
新人はベテランのバリスタに豆のひき方、お湯の量、お湯の注ぎ方など細かく指導される。
チェーン店化しても画一的な味にならないよう味へのこだわりを徹底している。
(ジェームス・フリーマンCEO)
「品質を守るのではない。
 保つのでもない。
 何かを守ろうとした瞬間に進歩は止まってしまう。
 おいしいコーヒーの追及をやめて
 これまでの味を保つことを目的にしてしまったら道に迷ってしまう。
 過去にとらわれて未来を見据えていないから。
 コーヒーは刺激的。
 私に活力を与え続けてくれる。
 学べば学ぶほど好きになる。」
65の国と地域に進出し世界を変えたといわれるスターバックスについては・・
(ジェームス・フリーマンさん)
「スターバックスはどの店もすべて同じ。
 私たちは地域や店舗に合わせて味も内容も変えていきたい。
 彼らを悪く言うつもりはない。
 私たちが活動できる市場を作り出してくれたから。
 スターバックスの顧客の1000人に1人くらいは別のものを試してみたいと思っている。
 彼らがひな型を作り私たちはそれを活用する。
 スターバックスには本当に感謝している。」
フリーマンさんは江東区清澄にコーヒー豆の焙煎所を作りそこに日本の1号店を併設する計画である。
ブルーボトルの原点ともいえる日本への進出。
ターゲットは大規模なチェーン店に流れ喫茶店に行かなくなった日本の若者。
日本のコーヒー文化に明るく開放的な内装やおしゃれな雰囲気を加えることで新たな価値を生み出したいと考えている。
(ジェームスフリーマンCEO)
「喫茶店と同じことをやるつもりはない。
 これ以上のことはできないと思う。
 私たちはこういう場所に来なくなった日本の若者たちに
 私たちのやり方でアレンジした店を紹介したい。
 彼らの目には新鮮で興味深いものに映ると信じている。

 

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