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原発

2012-05-20 16:38:44 | 報道/ニュース


  4月29日 サンデーモーニング


  政府が再稼動を目指す関西電力大飯原子力発電所。
  政府は立地自治体である福井県おおい町で住民説明会を開き
  再稼動への理解を求めた。
  
  おおい町民
  「もっと住民の命を守ると言うことを真剣に考えてもらえれば
   再稼動に賛成。」
  「こういう事故が二度と起こらないと保障してください。」
  「経済面と安全面を絶対に切り離して考えるべき。」

  賛否両論あったものの原発の運転再開には慎重な意見が相次いだ。
  福島第一原発の事故以来
  国民の間に広がる原発への不安。

  国の安全確認を終えた原発の再稼動に賛成か? (4月JNN世論調査)
   反対 54%
   賛成 39%

  ところが地元自治体では原発をめぐって世論とは食い違う現象が起きている。
  
  今月、運転停止中の中部電力浜岡原発の地元である
  静岡県御前崎市で行なわれた市長選挙。
  再稼動反対を訴える二人の候補を破って現職の石原茂雄氏が当選した。
  石原氏は原発再稼動について
  市民の意見を聞いてと慎重な姿勢を見せているものの
  他の候補と違い再稼動反対は訴えていない。

  御前崎市の住民
  「原発がなかったら仕事を失う人たち
   収入が減る人たちが大勢いますから。」
  「大きな工場があるかといったら何もないし
   もともと原発がなければただの村だから。」
  「全国で原発反対と言っている人も
   (地元で)生活している人のことを親身に考えている人がどれだけいるのか。」

  御前崎市のように脱原発を訴える候補者が選挙で落選するケースが
  原発事故後に相次いでいる。
  
  瀬戸内海に面する山口県上関町には中国電力による原発建設計画があるが
  現在、反原発派の抗議などによって計画が中断。
  しかし去年9月の町長選挙では原発推進派の現職が大差で当選を果たした。

  上関町 柏原重海町長
  「税収がどんどん落ち込む中でやはり原子力財源に代わるものはない。」

  また 去年10月 
  北海道の泊原発から半径10キロ圏内の岩内町で行なわれた町長選挙でも
  原発容認派の現職候補が当選している。
  
  岩内町の住民
  「岩内町は原発がなくなったら大変。
   今のところ現実的な話ではない。」

  世論調査で大勢を占めるのは脱原発・再稼動反対。
  それにもかかわらず地元や周辺の自治体では
  脱原発候補が負け続けるという一種のねじれ現象。
  
  東京自治研究センター 伊藤久雄研究員
  「もともとは原発以外に産業がないところがほとんど。
   ある村は財政の8割ぐらいは原発関連の財源に依存している。
   原発がない暮らしはほとんど考えられてこなかった。
   いま原発関連の財源がなくなったら財政破綻します。」

  浜岡原発の地元の御前崎市の場合
  2011年度当初予算の約4割が原発関連の交付金・固定資産税などである。
  こうした原発マネーや原発から生まれる雇用なしでは
  自治体の運営や地元経済そのものが成り立たない。
  ほとんど原発立地の自治体は同様の状況にあり
  原発なしで立ち行かない状況が
  こうした自治体の首長の選挙で脱原発を掲げる候補の落選を招いているともいえる。

  原発に深く依存し
  そこから容易に抜け出すことの出来ない地元の自治体。
  そうした状況が変わる可能性はあるのか。
  
  伊藤久雄研究員
  「ひとつに村とか町だけではどうするのかというのはなかなか難しい。
   国がはっきりビジョンを示す。
   脱原発・廃炉という方針を明確にする。
   原発がなくなった後の街づくりをどうしていくのか。
   少なくとも5年なり10年は国はこういう方針でのぞむと明確にすれば
   地元でも色々な議論が出来る。」

  原発事故で共生非難を余儀なくされ
  いまも仮設住宅で暮らす福島県双葉町の人々。
 
  「原発はもういらない。」
  「現実派こうなってしまうんだよというのは見て欲しい。」
  「対岸の火事ではない。」

    
コメント

紛争から30年 フォークランド諸島は今

2012-05-20 08:27:51 | 海外ネットワーク


  5月12日 海外ネットワーク


  1982年、島の領有権をめぐって
  イギリスとアルゼンチンが争ったフォークランド紛争。
  イギリスを率いたのは「鉄の女」サッチャー首相。
  74日間に及んだ戦闘はイギリス軍が勝利した。
  紛争から30年
  この島をめぐる両国の溝が深まり始めている。
  きっかけは島の周辺で見つかった海底油田。
  イギリスの企業が着々と開発を進めている。

  フォークランド諸島は
  アルゼンチンから東へ500km離れた南大西洋の沖にあり
  約800の島々には荒涼とした大地が広がっている。
  南極に近いこの島はペンギンの繁殖地としても知られている。
  約3000人が暮らし
  ほとんどが19世紀に入植したイギリス人の子孫である。
  町のスーパーには1万2千km離れた本国から空輸された食料品が並んでいる。

  島をめぐっては
  18世紀後半からフランス,イギリス,スペインが領有権を争った。
  19世紀になるとスペインから独立したアルゼンチンも領有権を主張。
  その後 1833年にイギリスが軍を派兵して占領し
  実効支配を続けた。
  ところが1982年鈴鹿だった島が突然戦火に包まれた。
  この年の4月2日 アルゼンチン軍が島に侵攻したのである。
  内政に行き詰った当時の政権が
  国民の不満の矛先をそらそうと侵攻したとも言われている。
  アルゼンチン軍は強力なミサイル攻撃でイギリスの艦隊に大きな打撃を与えた。
  これに対してイギリス軍も本国から精鋭部隊を派遣して上陸作戦を展開。
  74日間に渡る戦闘の末 
  島を奪い返した。
  犠牲者はアルゼンチン軍が649人、
  イギリス軍が255人。
  島には今も戦闘の傷跡が残っている。
  島にはアルゼンチン軍が埋めた地雷がそのまま残っていて
  いたるところに危険を呼びかける標識が掲げられている。

  紛争から30年
  島をめぐる対立が再び激しくなっている。
  きっかけはフォークランド諸島の北で見つかった海底油田である。
  推定埋蔵量は少なくとも83億バレル。
  イギリスが採掘権を持つ北海油田の約3倍にあたる。
  イギリスの企業は一昨年から試験的に採掘を始めた。
  これに対しアルゼンチン政府は
  「島はアルゼンチン領で油田もアルゼンチンが採掘権を持っている」
  と反発。
  フォークランド諸島からの船の入港拒否に踏み切った。
  
  アルゼンチン フェルナンデス大統領
  「イギリスがわれわれの石油・漁業資源をこれ以上奪い続けないよう
   正義が実現されることを求める。」

  5月 アルゼンチン政府がCMを放送した。
  ホッケーのアルゼンチン代表キャプテンが走っているのはフォークランド諸島。
  「イギリスの地で戦うために」

  イギリスは強く反発している。
  
  イギリス ヘイグ外相
  「オリンピックの政治利用は失敗するだろう。」

  両国の市民感情も悪化している。
  アルゼンチンではイギリスの旗を燃やすなど抗議活動が相次いでいる。
  フォークランド諸島の住民はイギリス国旗を掲げて抗議している。
  みやげ物には
  「イギリス領のままにしておいて」
  とプリントされたTシャツが登場。

  双方の市民が憎しみや不信感をつのらせる状況に危機感を抱く人がいる。
  島で唯一の新聞「ペンギンニュース」の編集長 リサ・ワトソンさんは
  日々の取材を通じて両国の関係悪化を感じている。
  フォークランド紛争のときは11歳だった。
  そのときの自分の体験を子ども向けの本にして出版した。
  当時 島で出会ったアルゼンチン兵士の思い出が書かれている。
  空腹に耐えかねたふたりの若い兵士がワトソンさんの家に来て
  「食べ物をくれないか」
  と頼んだのである。
  そのとき 
  アルゼンチンという国を嫌うのは簡単だけど
  目の前にいる人間としての兵士を嫌うのは難しいと気づいた。
  ふたりは自分たちの職業は歯科医師と司祭だと名乗り
  銃を撃ったこともないと言った。
  見かねたワトソンさんの父親が
  代わりに池のアヒルを撃ってふるまってあげた。

  ワトソンさん
  「私たちは多くの共通点がありすぐそばに住んでいる。
   もっといい関係を築けるはず。」

  島にあるフォークランド紛争で命を落としたアルゼンチン兵士の墓地の多くが
  二十歳前後の若者だった。
  身元不明の兵士の墓には“名前は神のみぞ知る”。
  600人余の戦死者のうち123人が身元不明のまま葬られている。
  そうした遺体の身元を明らかにしようと
  今 いぞくからDNAの資料を提供してもらう取り組みが進められている。
  
  遺族のひとり メリダ・モントーヤさん(69)は
  長男のオラシオさん(当時19)を紛争で亡くした。
  亡くなった状況や場所などは一切わからず遺品も無い。
  
  モントーヤさん
  「島が誰のものかなんてどうでもいい。
   和解すれば一番良いがもう戦争はごめんだ。
   私は息子を返して欲しいだけ。」
  
  紛争の歴史を乗り越えてきたアルゼンチンとフォークランド諸島の人々は
  国同士の対立に再び巻き込まれようとしている。




   
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