4月23日 おはよう日本
日本では900年ぶりのチャンスと言われている金環日食。
太陽が月と重なりリング状に見える非常に珍しい天体ショーである。
観測できるのは5月21日朝
鹿児島から福島にかけての範囲。
観測によって太陽の謎に迫ろうというプロジェクトが動き出している。
全国各地の科学館の代表など約30人が集まり
金環日食が見えるぎりぎりの場所“限界線”についてを議論した。
指輪のように見える金環日食。
しかしある地点を境に輪がとぎれ見えなくなる。
それが限界線である。
限界線は正確に予測することが難しく
NASAや国立天文台など予測はまちまちである。
国立天文台 相馬充助教は限界線を予測しているひとり。
相馬さんが使ったのは日本の月探査衛星「かぐや」のデータ。
「かぐや」は月の表面をデータを使って詳細に観測し
太陽の光を遮る月の凸凹の正確な高さを突き止めたのである。
相馬さんが予測した兵庫県明石市の限界線は
ライバルのNASAに対し南東に4キロずれると予測した。
予測はどこまで正確か。
相馬さんは全国の科学者と一緒に実証するための準備を進めている。
相馬さんが限界線さがしに力を入れているのには実はわけがある。
限界線を正確に把握できれば
これまではっきりしなかった太陽の直径がわかる可能性があるからなのである。
そのしくみは
「かぐや」の観測によって月に正確な直径が明らかになった。
今回限界線の正確な場所がわかれば
月をものさしにして
太陽の大きさを正確に導き出せると期待されている。
「限界線が決まると太陽の直径が決まるのは非常に重要なこと。」
「金管日食という現象にも科学的な最新の天文数値にかかわる話が残っていた。
新鮮な驚き。」
科学館では大型の望遠鏡で詳しく観測するほか
市民約200人で観測隊をつくり限界線探しにチャレンジすることにしている。
相馬助教
「金環日食の限界線が決まるとそれを用いて太陽の大きさが決まる。
それがこの金環日食の重要な点だと思う。」