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「大関力士碑」刻名式近しの期待

2012-05-12 14:44:36 | 報道/ニュース


  5月6日付 読売新聞編集手帳


  豊山、清国、大麒麟、大受、魁傑――懐かしい四股名(しこな)が並ぶ。
  江戸勧進相撲発祥の地、
  東京・深川にある富岡八幡宮の鳥居をくぐるとすぐ、
  右に立つのが「大関力士碑」だ。

  無論いずれも名だたる力士ながら、
  刻まれるのは綱に手の届かなかった大関である。
  さらに奥へ進むと本殿の脇に、
  ずっと大きな「横綱力士碑」があった。
  両碑の距離は100メートルほどだが案外遠い。

  頑強な体と才能に恵まれた上に、
  並の百倍も努力を積んで、
  ようやく一握りの力士のみたどり着けるのが大関の座である。
  そこから先は、
  おそらく人知を超えた要素が絡む。
  横綱碑までの距離が長く思える理由だろう。

  きょうから夏場所。
  東西合わせて6人も大関がそろうのは、
  大相撲の歴史で初めてという。
  この中から奥の碑に名を刻む者が出るか。
  一人横綱を張り続ける白鵬以来、
  刻名式近しの期待は高まる。

  現実には6大関の大半あるいは全員が、
  綱をつかめぬまま土俵を去り、
  手前の碑に名前を連ねるのかもしれない。
  それもまた大相撲のドラマであり、
  観(み)る人の胸に何かを残すだろう。
  横綱碑よりも大関碑の前で長くたたずむ人がいる。
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