今日は、9月12日 水曜日 天候は晴れ。
先日の映画「あなたへ」の中で、ビートたけし演じる、自称元国語教師という設定で、
主役の高倉健との出逢いの中で、放浪の俳人・種田山頭火の句を口にする場面が
何度もあります。実際は、車上荒らしだったのですが…。
ラストシーンにも、山頭火の句が使われていました。
人生を旅と捉える、この映画のテーマだったのかも知れません。
昭和7年の2月12日から13日にかけて、加津佐にも、山頭火は立ち寄っていました。
「行乞記」の中で、その当時の加津佐の様子を、こんな風に書いています。
「二月十二日 けふも日本晴れ、まるで春,行程五里 海ぞひのうつくしい道だった
加津佐町、太田屋〈三〇・中〉
此の町は予想しない場所だった。町としても風景としてもよい、海岸一帯、
岩戸山、等、等
途中折々榕樹〈ようじゅ〉を見出した、また唐茄子〈とうなす〉の赤い実が目についた。
△水月山円通寺跡、大智禅師墓碑、そしてキリシタン墓碑、コレジヨ〈キリシタン学校〉
跡もある」と。
榕樹〈ようじゅ〉とはアコウの木なんです。折々見出したと書いてあるところを
見ると、その当時はあちこちにあったんですかね。
そして、12日は、中程度の「太田屋」という旅館に30銭で宿泊していることになっています。
でも、「太田屋」という旅館がどこにあったかは、私にはわからないのです。
今、岩戸山に行く途中の漁港に来ています。アコウの木があります。
13日の「行乞記」には、岩戸山の巌吼庵に詣でたと書いてあるところを見れば
このアコウの木が、山頭火の目に留ったのかも知れません。
アコウの木の枝には、カニかごなどの漁具がぶら下げてあります。
かっては、このアコウの木に、ロープで漁船が係留されていたんでしょうね。
天辺の円通寺跡地に行く途中には、もうドングリの実が。
今日の午後5時近くの野田浜です。
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