My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

インク&水彩~習作

2008-06-23 20:20:00 | Gallery


油性インク

Watercolor:
Van Gough (Azo yellow light, madder lake deep, permanent orange, quinacridon rose)
Holbein (Prussian blue)

Paper:なんと、ペラペラの安いスケッチブックの切れ端…

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今日、油性のインクを使ってレンブラント(17世紀の巨匠)の人々を描いたインク・スケッチを参考にしながら、光と影、焦点の当てかたとそれを表現するデザインを考え、水彩を使うという事をした。その説明の合間に、「僕がまだ小学校に行っていたころ、木の机の小さい穴にインクを溜めて、そこに虫を泳がせて遊んだよ。そして、その虫を紙の上に歩かせるととてもとても面白い模様ができるんだ。ははは!そして、ペン先は天井に投げてダーツみたいに突き刺したり、友達が椅子に座る前にペンを椅子の上に付き立てたりと、ペンとインクでいろんなことをしたもんだよ。ふふふ。」と、楽しそうに先生はいつものペースで昔話をする。

油性インクは水につけるとすごい勢いで広がるけど、乾いた後に水を塗っても溶け出さない。墨のつもりで、あらかじめ水で濡らした紙に金魚の絵を描いたらとても良い感じの水墨画調の効果があった。墨が半紙にブワッっと広がる様子によく似ている。面白い!今度は、先生が学校の庭からもいできたツタやらベリーやらを自分なりになんとなく描くのではなく、構図・色の使い方・光の当て方など「デザイン」して描くという課題が出される。…げー。私は、描くのはすごく早いほうだけどそれまでにとてつもなく時間がかかる。みんなサクサクはじめているのに、私一人、ウーム…とかなんとか言いながら考え込んでいる。と、先生はいつもどおりにちゃんと見ていて、「まあ、とりあえず“何を”前面に出して描きたいか考えてやってごらん。」とアドバイスを入れてくれる。今回は、使ったことのないがちがちに乾きかかったプルシアンブルーが、捨てるのはもったいないとパレットに出してあったので使ってみる。かなりPhthalo Blueに近い渋い青。インクの黒とかなりあう。インク書きまではよかったが、絵具をのせる段階ではっ!と手が止まる。なんと描いていた紙は、水彩画紙ではなく小さいスケッチブックの切れ端。書き直すのは面倒くさいので一応、頑丈な紙じゃなければ耐えられないようなウォッシュはしないで、Wet-on-dryでレイヤーをいくつか重ねながら淡彩で光を意識して描いてみる。結果は、まあ…無難な絵?もっと、ルーズに大胆にいってもよかったかな。色を重ねるのに気をちょっととられた途端に、光がガクッと消えてしまった。何事にも通じるけど、全体に気を配りながら物事を運ぶのってかなり難しい。バランスをとるってやつ?そして、とても大切なこと。

クラスの最後にみんなの絵を並べて先生がコメントをする。それにしても絵って性格が出る。ちょっと怖い。やさしい色をいつも使う人。計画性がまるでなくて技術的にはかなりへまをするけどものすごいユニークな個性が光っている人。自分を表現するすべをまだ模索している人。かなり激しい、きっと怒らせたら怖いだろうな、という感じの人…。私の絵はどんな風に見えるのだろう?

水彩画のコースも、来週が最終回。まだまだ習うことは山ほどあるけど、今は自分で基礎を固めながらいろんなことを試して視野を広げてみたい。でもまた、来年にでもこのコースに戻ってきてあの先生のジョークと創造性に振り回されたいと思う。