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ロンドンから徒然に

フェルメール作品のオークション

2014-06-16 | アート
 行きにはほぼ空っぽだったスーツケースが、ロンドンに戻る時にはいつもたまらなく重たくなります。どうにも日本語の活字に飢えて、つい本を買い漁ってしまうのですが、限りある本棚なので、整理せざるをえなくなって、今回も「えいや」で捨てています。

 ついでに整理しようかと思って押し入れを覗くと、もう使わないであろう音楽機材が。ううん、これは捨てるにはちょっともったいないぞ。
 かといって、デジタルものは、新しい機種が出るとすぐに値が下がるし、さて、どうしたものか?昨年は何点かebayに出して、割と高い値段で捌けたので、今回もそうするかな。

 それにしても「オークション」なんて、ヤフオクやebayのおかげですっかり身近な存在になってしまいましたが、少なくとも浸透したのは今世紀に入ってからの話ですよね。それもこれもインターネットの普及のおかげだし。

 それに比べて、さすがにイギリス、老舗のサザビーズSotheby’s や クリスティーズChristie’sの設立なんて、どちらも18世紀まで遡るんですから、歴史の重さが違います。
 もちろんオークションにかけられる物品からして、格が違い過ぎるわけですが、特に絵画などの美術品になると、もう一体誰が買うのやら、という世界です。
 参加は誰でもできるとはいえ、予めの登録も面倒だし(それでも昔、ビートルズのメモラビリアの時には参加したなぁ・笑)、やっぱりちょっと縁遠い気が……

 でもね、これは気軽に行けるんですよ。いわゆる下見会。ギャラリーに行く感覚で、素晴らしい出展作品を観賞できるので、お薦めです。普段目に触れることのないものに接する機会にもなりますしね。



 で、先週末から行われているクリスティーズの下見会には、なんとフェルメールの作品が展示されています。30数点と言われる数少ない中で、個人所蔵のものは2点だけなんだそうで、今回はそのうちの一点「聖プラクセディス Saint Praxedis」。
 もっとも日本の絵画ファンならば馴染みの作品かもしれません(僕も何度か観ています)。2000年に大阪市立美術館で開催された「フェルメールとその時代」以来、数回“来日”していますからね。



 この作品、ずっと真贋が争われてきましたが、最近になってアムステルダム国立美術館が真作のお墨付きを出したんだそうです。
 早速見てきましたが、何より美術館の仰々しさと違って、目の前で独り占めできるのは快感です。予想落札価格も思ったよりは高くなかったなぁ(なんて言ってみたかっただけです)

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