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ロンドンから徒然に

王室御用達の書店

2009-09-19 | 文学
 昨日家探しのことを書きましたが、考えてみたら東京にいた時もけっこう引っ越しを繰り返しました。田園都市線、東横線、井の頭線沿線の住居だったので、どれも渋谷が中継点になったわけです。それで必ず毎日立ち寄るのがレコード店と書店。衝動買いで散在することもありましたが、毎日楽しかったです。

 じゃCDや本をネットで買えば済むかというと、必ずしもそういうわけでもなく、どうも僕はそういった空間に魅せられるみたいです。音楽が好きだしレコード店も好き、本が好きだし書店も好き。そこで視聴したり、立ち読みしたりする時間が貴重でした。

 残念ながら、英語の本を心から楽しむほどの境地にはまだなれないもので(そんな日が来るのかな?)日本にいた時ほど頻繁に書店に立ち寄ることもなくなりましたが、それでも暇があるとふらりと入ってしまいます。
 
 ロンドンでも近代的な大手チェーン店が幅を利かしているのは同じなのですが、中にはいかにもイギリスらしい伝統的な雰囲気を残すお店も存在します。
 ハッチャーズHatchardsもそのひとつです。いつも観光客(日本人もとても多い)で溢れているFortnum & Masonの横にあって、この書店の空気感はちょっとのんびりしていてホッとします。



 何しろ1797年創業というイギリス最古の書店で、王室御用達の箔が付いており、店員も心なしか紳士的で風格があるような気がします。
 作家たちもここでサイン会を行うのは一種のステイタスらしく、J.K Rowlingもここでハリー・ポッターにサインをしています。



 店の中央部分には吹き抜けがあって、ここに4階までの階段があります。床はグリーンの絨毯、ブラックが中心の本棚、明かりは間接照明、など全体に落ち着いた雰囲気です。
 扱っている本のジャンルは幅広いですが、特に歴史や伝記本、王室関連の本などが充実しています。3年前にはMowbrays Religious Bookshopが中に入って宗教本まであります。ちなみに雑誌は扱っていません。



 こんな優雅な書店ですが、実は親会社はHMVで、有名チェーン店のWaterstonesもその傘下にあるので、姉妹店ということになります。
 そのWaterstonesの旗艦店も同じくピカデリーのすぐ側に位置しています。まことに経済の仕組みというのは、“伝統”とか“優雅”なんて言ってられないくらい現実的なものなんですね。

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2 コメント

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Unknown (Goteauxsson)
2009-09-20 15:11:15
書店やレコードショップはやはり「現場」という感覚があって好きです。立ち読みやCDの発掘とか試聴、手にとって見れるのが好きだなぁ。一方で、Netでいろいろ探してみる時間も結構費やしてはいるんです。GoogleやYouTubeその他で、「あの曲聴きたいな」と思って探すとあるのが便利というか嬉しいですね。
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Unknown (Max)
2009-09-21 07:56:52
書店はともかく、レコード店の特色あるところが欲しいですね。大手チェーン店は全部駄目ってわけじゃなないんです。移転前の昔のHMVの渋谷店で(好き嫌いはともかく)“渋谷系”なんて言葉を流行らせていた頃は、あの店もものすごく癖のある提案をしていて、それなりに面白かったんですけどね。
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