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ロンドンから徒然に

Stay with Z ~ゼマイティス・ギター写真集

2007-09-17 | 音楽
 ゼマイティス・ギター(Zemaitis Guitar)の写真集『Stay with Z』がやっと完成しました。三ツ井さん他スタッフの皆様おつかれさま。

 Zemaitis はイギリスの天才職人トニー・ゼマイティスによるカスタム・ギターで、2002年に亡くなるまでの間の40年間に約600本が制作されたと言われていますが、その全体像は未だに謎のままです。何しろ1本として同じものがないカスタム・ギターで、また多くのコレクターは手元に置いたまま世間の目に晒すことを好まないため、相当のマニアでもまだ見たことのないギターがたくさんあると言われています。
 60年代から数多くの有名ミュージシャンに愛用され、その中にはジョージ・ハリスン、ボブ・ディラン、キース・リチャーズ、ロン・ウッド等ロック・アイコンの名前が見られます。また、音のみならず、その作りの豪華さ、精密さは面白いエピソードも生んでいます。エリック・クラプトンのために作られた12弦ギターが、その装飾の多さにより、楽器としてでなく宝飾品として税金をかけられそうになりひと悶着あったのです。

 『ギター・マガジン』のリットー・ミュージックから、日本に存在する Zemaitis Guitar を中心に写真集を発刊するという話が持ち上がり、オーナーズ・クラブの会長三ツ井氏を中心に編集が進むことになったのが2年以上前の話でした。
 厚木のスタジオを使っての撮影のため、その当時の吉祥寺の自宅からタクシーにギター数本を乗せて(よく詰め込めたなぁ)駆けつけました。
 現場で何よりも驚いたのは、一堂に会したZemaitisの荘厳さ!世界中に存在するZemaitisの約10分の1に当たる数を一度に見ることができるなんて、滅多にあるものではありません。その中にはお馴染みの布袋寅泰氏の愛器もあり、また山弦の小倉博和氏やTUBEの角野秀行氏も愛器と共に撮影現場に来てくれました。

 撮影はその日徹夜になり、僕は朝帰りでしたが、三ツ井氏他スタッフは次の日もまた徹夜というハード・スケジュールをこなしたようです。
 その写真集が諸事情で発売中止との知らせをリットーから受け、がっかりしていたのですが、その直後三ツ井氏から自費出版でも出したいとの連絡があり、是非頑張って欲しいものだと、出来る限りの応援を約束しました。
 それから2年間、撮影のやり直し、海外のコレクターとのコンタクト、数々のミュージシャンとのインタビュー等、彼等の苦労は並大抵のものではなかったでしょう。本当におつかれさまでした。

 是非皆さんにも見ていただきたい本なのですが、何しろ値段が12,500円もするので、コレクターの方や大のギター好きに限られるでしょう。ともかく情報をHOBNOBのホームページ( http://hobnob.jp )のinformationのコーナーに乗せましたので、興味ある方はどうぞ。
 なお、写真集には僕のギター数本と、最後の方に寄稿文も少しだけ載っています。

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