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ロンドンから徒然に

やっと観られたフェルメール

2008-12-13 | アート
 フェルメールって凄いな!いや、その作品の凄さに今更言及する必要もないのですが、その人気の凄さには今更ながら驚きました。
 会期も終わりに迫ったこともあり、長蛇の列は変わらずに続いていますが、改めてその層の厚さには感心してしまいます。耳に入ってくる会話の内容を聞いていても、特に美術好きとも思えない“一般の人”たちが多いのです。これはもう国民的イベントですよね。ポスターの前で記念写真を撮っている姿を見て、特にそう思いました。



 長い列の途中の柱には、“『牛乳を注ぐ女』、『真珠の耳飾りの少女』、『絵画芸術』等TVで紹介のあった作品の展示はありません”といった旨の注意書きがありました。TVでの特集番組を見てフェルメールに興味を持った人が多いのでしょうが、もうひとつこれから分かることは、やっぱりこれらの作品は横綱級に有名な作品なのだということです。
 その意味では今回は(『絵画芸術』が出展中止となったこともあって)どちらかというと“関脇・小結”級の作品が揃ったようなイメージです。

 それでもなお30数点しかない作品群から7点も集まったのはやはり驚異的なことでしょう。それに話題作もたくさんあります。
 『小路』は2点しかない風景画のうちのひとつだし、長い間真贋が争われてきた『ヴァージナルの前に座る若い女』は個人コレクションということを考えると、この先いつ見ることができるか分かりません。

 それにしてもあまりの人の多さで、入場までの時間もともかく、入ってからも前の方で見るのはなかなか大変です。今回展示されていた『ワイングラスを持つ娘』と殆ど同じ主題の『紳士とワインを飲む女』を、この夏ベルリン国立美術館で見た時は、その展示室を独り占めできたこと(ついでに言うなら写真がOKなこと)を考えると大きな違いです。



今度国立西洋美術館で始まる“ルーヴル美術館展”の目玉もフェルメールの『レースを編む女』のようで、ポスターを飾っていました。
暫くフェルメール・ブームは日本で続きそうですね。今後どんな画家がもてはやされるようになるのか興味があります。


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