点数の少ないフェルメールの作品 (贋作の疑いあるものを含めても37点)ゆえ、マニアの中には全点制覇を目指して世界を旅する人もいると聞きましたが、今年ロンドンを訪ねる方はちょっと注意して下さい。いつも飾られている場所には今ないんです。いや、これは逆に“期待して下さい”と書き換えてもいいかもしれませんが。
ご存じのようにロンドンには4点のフェルメール作品が存在します。
ナショナル・ギャラリーには、まるで対になっているような2点、『ヴァージナルの前に立つ女 Lady Standing at a Virginal』と『ヴァージナルの前に座る女 Lady Seated at a Virginal』
ケンウッドハウスには、1974年に一度盗難に遭った『ギターを弾く女 The Guitar Player』。但し、ここは今年末まで改装中で中に入ることが出来ません。
そして最後の1点『音楽の稽古 The Music Lesson』はロイヤル・コレクションのために、おいそれとは公の目に晒されることはなく、僕は2度だけバッキンガム宮殿の夏の一般公開の際に見ています。
といった状況ですので、本来これら4点を今全部見るのはかなり苦労しそうなんです。
ところが、これらに加えて、NYからプライベート・コレクションである『ヴァージナルの前に座る若い女 A Young Woman Seated at a Virginal』(ちなみにこの作品は長い間贋作論争が絶えなかったのですが)、合計5点が一堂に会する展覧会が今ナショナル・ギャラリーのSainsbury Wingで開かれています。したがって逆に1ヶ所訪ねるだけで、ロンドンにある全てのフェルメール、プラス1点を見ることができるわけです。
上の紹介で作品名を丁寧に読んでいただいた方は気付いたかもしれませんが、全ての作品が音楽に絡んでいます。楽器はヴァージナル(ハープシコードの小型版)とギター(というよりリュートですかね)。
これらのフェルメール作品の他にも同時代の画家の作品や、その頃の実際の楽器なども展示して、その名も『Vermeer and Music フェルメールと音楽』。展示会場の一角で古楽器の生演奏もやるという贅沢な展覧会なんです。
全体の展示絵画点数の少なさや他の作品の質の高さなどから、あまり展覧会としての評価自体は高くないと思われますが、フェルメール5点を同じ部屋で見られるだけで僕は満足ですね。
17世紀のオランダと言えば、スペインからの独立戦争の真っ最中?ともかく色んな変化のあった時期で、絵画に関しては、従来の宗教画から一般の人の生活が描かれ始めた頃かと思います。
そんな生活の中にヴァージナルなんかを取り込んでいたのは、おそらく金持ちなんでしょうが、いいですねぇ、音楽のある生活。
『音楽の稽古』に描かれたヴァージナルには次の銘文が記されています。「音楽は喜びの伴侶、悲しみの薬」……なるほど!
ご存じのようにロンドンには4点のフェルメール作品が存在します。
ナショナル・ギャラリーには、まるで対になっているような2点、『ヴァージナルの前に立つ女 Lady Standing at a Virginal』と『ヴァージナルの前に座る女 Lady Seated at a Virginal』
ケンウッドハウスには、1974年に一度盗難に遭った『ギターを弾く女 The Guitar Player』。但し、ここは今年末まで改装中で中に入ることが出来ません。
そして最後の1点『音楽の稽古 The Music Lesson』はロイヤル・コレクションのために、おいそれとは公の目に晒されることはなく、僕は2度だけバッキンガム宮殿の夏の一般公開の際に見ています。
といった状況ですので、本来これら4点を今全部見るのはかなり苦労しそうなんです。
ところが、これらに加えて、NYからプライベート・コレクションである『ヴァージナルの前に座る若い女 A Young Woman Seated at a Virginal』(ちなみにこの作品は長い間贋作論争が絶えなかったのですが)、合計5点が一堂に会する展覧会が今ナショナル・ギャラリーのSainsbury Wingで開かれています。したがって逆に1ヶ所訪ねるだけで、ロンドンにある全てのフェルメール、プラス1点を見ることができるわけです。
上の紹介で作品名を丁寧に読んでいただいた方は気付いたかもしれませんが、全ての作品が音楽に絡んでいます。楽器はヴァージナル(ハープシコードの小型版)とギター(というよりリュートですかね)。
これらのフェルメール作品の他にも同時代の画家の作品や、その頃の実際の楽器なども展示して、その名も『Vermeer and Music フェルメールと音楽』。展示会場の一角で古楽器の生演奏もやるという贅沢な展覧会なんです。
全体の展示絵画点数の少なさや他の作品の質の高さなどから、あまり展覧会としての評価自体は高くないと思われますが、フェルメール5点を同じ部屋で見られるだけで僕は満足ですね。
17世紀のオランダと言えば、スペインからの独立戦争の真っ最中?ともかく色んな変化のあった時期で、絵画に関しては、従来の宗教画から一般の人の生活が描かれ始めた頃かと思います。
そんな生活の中にヴァージナルなんかを取り込んでいたのは、おそらく金持ちなんでしょうが、いいですねぇ、音楽のある生活。
『音楽の稽古』に描かれたヴァージナルには次の銘文が記されています。「音楽は喜びの伴侶、悲しみの薬」……なるほど!