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ロンドンから徒然に

村上隆とウルトラマン

2008-03-19 | アート
 良くも悪くも自分にはあまり競争心というものがないので、分からないところもあるのですが、人間競い合いとなるとヒート・アップするのはよくあるらしく、それが例えばYahoo !のオークションあたりでも、残り時間がなくなって熱くなり、結局落札はしたものの、付けた値段に後悔したという話も友人から聞いたことがあります。

 まぁ、ヤフオクあたりなら失敗しても罪はないでしょうが、ことが絵画とかになったら大変でしょう。もっともサザビーズSotheby’sやクリスティーズChristie’sほど有名なオークション・ハウスで入札する人はそのくらいの金額を何とも思わない人が多いのかもしれませんが。

 さて、上に挙げた2者ほどでなくとも、ロンドンでは小さな規模でオークションは行われています。と言っても、やはり実際に買うには勇気のいる作品が多いので、事前のviewing(大抵は無料です)を楽しむことにしています。

 先日はモダンアートのオークションがあり、僕のお気に入りのDoigの作品なども出ていたので見てきました。
 いくつかに分かれた部屋のひとつに、日本の作品がまとめて置かれていたのですが、なんと中心に飾られていたのはゴジラとウルトラマン(の怪物たち)のビニール人形でした。これはディスプレイではなく、れっきとしたモダンアートの対象作品です。

 その部屋の壁には村上隆の作品も飾られ、やはり他の作品とは一線を画した光を放っていました(ついでに言うなら予想価格も他を引き離しています)
 考えてみたら彼が日本の現代アートに及ぼした影響は大きいでしょうね。一見能天気な(失礼!)愛らしさとカラフルさが、したたかに西洋のアートのルールを壊して、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションでアートと商業デザインの垣根も壊し、またキュレーターとしての活動ではアニメや漫画をアートの世界に引き上げてきました。

 ゴジラやウルトラマンがこうしてアート・オークションの作品群の中にいられるのも彼のおかげかもしれません。
 もっとも、僕自身はあの値段で買いたいとは思いませんが(笑)

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