全日本フィギュアスケート選手権大会が行われています。クリスマスイブのゴールデンタイムに地上波放送するのですからその注目度も高いのでしょう。
途中で高橋大輔・村元哉中のアイスダンスの優勝の演技が挿入されました。 また「男女ペア」ではグランプリ(GP)シリーズ2戦で金メダルを取った 三浦璃来・木原龍一が飛行機の遅延などで欠場したため、この狭義には一組だけの出場になったそうです。どれだけ選手層が薄い不人気の競技なのでしょう。まぁアイスダンスとペアの区別すらつかない一般人の一人ですからなんとも言えません。
女子シングルのフリーでは大方の予想通り坂本香織ちゃんがSPトップの勢いのまま圧巻のフリー演技を披露し今年の世界最高得点でぶっちぎりでありました。彼女はもう22才になるのです。この世界ではおばちゃん扱いですが、高校生でデビューした当時と変わらず正確で高いジャンプや小気味よくスピードに乗った演技に円熟味が加わり、実質的に日本のトップスケーターであります。彼女はトリプルアクセルも飛びません。
一方、日本選手では今大会ジュニアから14歳の島田麻央ちゃんや中井亜美ちゃんを筆頭に中高生が台頭してきた大会でもありました。特に麻央ちゃんは、浅田真央ちゃんとおなじ「まお」で、恐らく生まれた時からフィギュアをやって欲しいと願い名付けられたのでしょう。なんとトリプルAを昨年飛んで、今年は4回転にチャレンジしているのです。
昨日はそのトリプルAに4回転ルッツを入れて来るという日本人初の構成でした。どちらも今の日本の選手にとっては成功例が少ない超難度のジャンプです。これはあの、紀平梨花さんが4年前シニア大会に衝撃の登場をしたのを想起させます。それまで世界でも浅田真央選手しか成功しないトリプルアクセルを2回も飛んだのです。
それ以来、梨花ちゃんは向かうところ敵なしの活躍でしたが、カミラ・アリエワに代表されるロシア少女選手たちが(禁止薬と鬼コーチのおかげで)ばんばん高難度のジャンプを入れ、4回転まで成功するようになりました。これに対抗して梨花ちゃんは無理な練習がたたって故障、足首の疲労骨折という大きなけがを負って、協議や練習ができず1年を棒に振ったのです。ようやく協議に復活したものの、足を庇って思うような演技が出来ず不甲斐ない成績でした。
そして今大会、再起をかけて、相当な覚悟で試合に臨んだと思います。しかし、かつて活発で機敏な少女だった彼女は20歳、もう立派な大人の女性であります。顔も体つきふっくらして、別人に見えました。その演技もスピードや切れがなく重そうな印象でした。練習不足・体重増加に加えケガのことを考えて思い切った演技が出来なかったのでしょう。
彼女の素質や過去の実績を考えると、もう一度体勢を整え体をしぼり、自信が戻ればまだ十分戦えると期待を込めてウォッチしたいと思います。
世代交代は世の常、紀平さんが落ちたのは残念ですが、超新星が誕生してきたと喜ばしいのです。ただ、気になることがあります。
同じ日に「ロシア選手権」が行われました。ご存じのように現在ロシアのスポーツ競技のほとんどは国際大会から締め出されています。プーチンがウクライナ侵攻に踏み切ったのは今年2月24日、これを機にロシアは孤立しました。フィギュアスケートもあの疑惑のドーピングに揺れた2022.2北京オリンピック以来ロシアの少女たちの演技は見ることが出来なくなりました。
プーチンがなぜウクライナを攻撃したかはいろいろな説がありますが、ワタシはプーチンが寵愛している氷上の天使がドーピングでたたかれ、メダルはく奪の憂き目にあったことがきっかけであったと見ています。
「わしはプーチンだぞ。ドーピングで嫌がらせしやがって!NATOもオリンピック委員会もみんな西側のやつらだ。ワシを怒らせたらこうなるのだ」とばかり戦車を繰り出したというのが実のところではないかと。
そんなロシア選手権の優勝は、 アリエワを差し置いてソフィア・アカチエワ選手(15)が総合点を249.74点で優勝しました。トリプルAは転倒したものの4回転ジャンプ2回を飛んだそうです。坂本香織選手が233.05点でした。同じ採点方法とは限らず、審査員もロシア人でしょうから一概に比較はできません。しかし、今や男子同様、4回転とトリプルA両方を成功させる、というのが世界のトップ基準 になったのだと実感した次第であります。
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