平均寿命、これがワタシ達があと何年生きられるかの指標と思う人が多いのです。しかしまったく目的や根拠の違う算定方法で算出されている計算上の数値なので、例えばこの世に存在していた人(新生児含め)の中で、今年1年で亡くなった方の年齢を単純平均したわけではありません。
医学的生理学的に人間の寿命が割り出されることは不可能です。それで、便宜的に、年齢別の推計人口と死亡率のデータを使い、各年齢ごとの死亡率を割り出す。平均寿命は、このデータを基にして平均的に何歳までに寿命を迎えるかを出すという小難しい計算法によるらしいですが、実年齢からの余命に反映されてはいませんね。
だから、一番正確に把握するなら自分の実年齢の推計人口から100歳くらいまでのそれを毎年のベースに死亡率・残存寿命を加重平均するというのがいいかもしれません。「平均余命」をベースに考えるのがもっともわかりやすいのです。
ワタシが現在69歳、平均寿命から差し引くとあと12.5年しか生きられないという計算になります。
平均余命だと男子は2022年調査時点の数字を当てはめると、ワタシはあと16.2年となります。統計学的に4年も違うのはやはり問題ですわね。
先日ワタシの以前の勤務先のOBが加入する厚生団体から、定期的に届く訃報が来ました。それによると2月ひと月で男性が4人他界されていて、その死亡年齢は「90 87 88 92歳」で平均死亡時年齢89.25歳、上記の数値とは大きくかけ離れております。サンプルが極めて少ないグループですがこれを信じれば、まだ20年も生きられるということになります。
いずれにせよ、世に言われる平均寿命から自分の年齢を引いて、あと何年生きられるのかという発想は無意味の様であります。 世間で有名人の訃報が流れるとき、明確な病名が不明で80歳越えの方を便宜的に「老衰」と説明しています。これも「平均寿命」算出による弊害であります。男子なら81歳になったら老衰で死んでしまうのか、などとあらぬ妄想・悲観的将来を思い浮かべてしまいますよね。
さて、そこでアメリカ合衆国の大統領の予備選挙であります。どうやら現職の「バイデンさん(81歳)」とその前の大統領「トランプさん(77歳)」が有力候補となっているようです。アメリカ全体の平均寿命は78.7歳(男性76.2歳、女性81.2歳) です。前述の様に平均寿命が死ぬ人たちの中央値を示すわけではありません。より実態に近い平均余命を4年足すとしたら、バイデンさんは「すでに死んでいる(笑)」、トランプさんはあと3年の命という計算になりますね。
いずれにしても、世界で最も影響力がある超大国をけん引するべき大統領が、いつ死んでもおかしく無いような高齢者になるのです。死なないまでも病や老衰のリスクは増すでしょうし、心筋梗塞・脳溢血など突発性の心疾患などが多い国民ですよ。
自由と平等の国アメリカ、なので年齢で制約はつけないのでしょう。しかし、一方では合理主義のメッカでもあります。すぐに倒れるような大統領に任せていいのか?、JFKのような若手の政治家が何故表舞台に現れないのか?不思議な国ですねぇ。
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