植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

友達のお孫さんのために 蔵書印を彫る

2024年04月03日 | 篆刻
数か月前から、高校3年生の時の「同窓会」の開催をきっかけに50年間のブランクを乗り越えて同級生が連絡を取りあうことになりました。

以前から4年おきに故郷大分で、こじんまりとやっていたようです。よほど暇とお金を余していないと、首都圏から「ちょっと行ってくるか」という気にはなりませんわね。自分の記憶では数十年のうち1回か2回参加したような気も致します。その学校は地元では知らぬ人がいない名門校「大分・・・高校」です。まぁここでワタシの個人情報が一つ開示されることになりますがこれしきのことは良かろうと思います。それがコロナの影響もあって7年か8年ぶりに開催することになったのです。

そこで、ワタシの電話番号を同級生のS君から聞きつけた幹事の女性から、メールが届きました。「同じ学年(13クラス)全体で同窓会をやることになった。ついては、連絡等の手間や経費を節減するためにグループLINEに招待するのでよろしく」という内容でした。別にわざわざ神奈川県から飛行機で来なくても構わないので登録だけでいいから、というのです。だったらエントリーしましょうというわけでLINEに加わりましたが、これが20人ほど、半数以上が女性でした。

凄いんです。女性同士のグループLINEにちょこっとわれわれ男子が入っているだけだと、ほとんど女子会ののりになるんです。速攻で返事が返ってくるし、スマホの画面だけでは追い切れずスクロールしないと全部読めないほど長文のLINEがバンバン入ってくるんですね。(勿論、早い分ミスタッチ・誤文も多いですが) 

さて、そのきっかけのS君はFacebookで3か月前、ワタシの事を見つけて連絡をくれました。人間何が幸いするか・どこでどうつながるかわからないものですね。彼が高校の同級生として「友達」登録して連絡してきたのです。その用件がワタシが篆刻をやることを知って、自分とお孫さんの印を彫って欲しいというものでした。

お孫さんが6人居て一番上が中学校三年生。その卒業祝い(高校の入学祝)に、図書館の本や教科書などの後ろに捺されている「蔵書印」を贈りたいのだという趣旨でした。さらに小さなお孫さんもいて最終的に10年がかりで歳の順番に6人全員に蔵書印を贈りたいので彫って欲しい、というのです。いやー、10年後はワタシがどうなっているか、死んでいるか・ボケているか・あるいは半身不随かもしれません。そんな約束は出来ませんわね。そこで、まとめて残り5人分を数か月で彫るから、後はS君の都合でお孫さんたちに渡してもらうということにいたしました。

しかし、お孫さんが読書家という所から発想したのかもしれませんが、おじいちゃんからのお祝いが「篆刻印・蔵書印」ですよ!なかなか考え付くものではありません。そして卒業祝いを順に渡していこうという心根も素晴らしいと思いました。

割合上等の石(一本千円程度)を印材に使いました。せっかくのお祝いだし、一生使えるものですから。実質ひと月ほど、手すきの時にちょっとずつ手を入れてようやく昨日だいたい出来ました。この後細かな修正を入れ印面を軽く磨いたら、「側款」を入れて完成です。このひと手間が肝心なのです。S君にはお金は要らないと言いましたが、やはり孫達へのプレゼントがタダ、というわけにはいかないと思ったようで、手間賃やら送料やらも加えて少し頂くことにいたしました。



お孫さんたちに気に入って貰えるよう、篆刻の古趣の雰囲気にちょっとスタイリッシュな線を出して見ました。

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