植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

今までにない暑い夏が続くのだからいろんなことを再構築しないと 

2023年08月17日 | 植物
今年の暑さは尋常ではない。これが日本の社会に共通する認識でしょう。その影響で海水温が上がり台風が巨大化し、線状降水帯といういままであまり聞かなかった気候現象によって集中的な被害が出るようになっています。

夏の異常な暑さを蒙ったのは人間だけではありません。園芸をやるものにとって、今までになかった現象(被害)が沢山生じたのです。今年ダメになった植物は数多くあって、野菜から果樹、蘭にいたるまで大きなダメージを負いました。ナスもキュウリもピーマンもみんな暑さと降雨不足で生育し損ね、根張りも不十分でありました。今やナスやキュウリをすこしづつ収穫しても、家内はそのままポイ、食べられないというのです。

スイカも、大玉が二つ適期に収穫したのですが、割ってみると中が赤黒くなって液状化し、明らかに食用に適しませんでした。これはある程度大きくなったあと、7月一か月で猛烈な暑さと水不足で茎や根が壊滅的な状況になって実に栄養と水分が供給されなくなったとみています。
実際、7月に葉っぱが萎れ縮こまった時に、「これはいかん」と気づいたのです。

通常アフリカなどのほとんど降水の無い砂漠に育つスイカなので高温と乾燥は歓迎なのです。そのため露地植えのスイカは高畝にマルチングをして、梅雨時期に根が水没したり、過湿にならないようにします。ところが、最近のスイカ苗は改良され、とうがんなどの日本の環境に適した苗に接ぎ木することが多いのです。水に強くなった半面、水分不足に弱くまた熱暑にも耐えられなくなってきたのです。加えて今年の空梅雨でひと月ほとんど降雨がなく、また梅雨明け前から30度を超える気温の中で太陽光にあたったため、スイカが壊滅状態になったのです。
途中でマルチングを外し、朝夕散水するようにいたしましたが時既に遅しであったようです。

リンゴや柿は、ある程度の大きさになってから落果しはじめ、ブルーベリーやイチジクの実(花)は小さい粒のまま動かなくなりました。ブドウ「甲斐路」は途中から成長が止まり、赤く色づく前にしなびてきました。
イチゴも実が大きくならず、とにかくほとんどの果物類がまともに食べられるまで大きく熟さなかったのです。

先日行った花屋の「カナちゃん」から尋ねられたのは、今年販売したプルメリアやハイビスカスが蕾のまま黒くなって落ちてしまったのはどうして?どうしたらいいの?、でした。うちのプルメリアは幸いにして良く咲いてくれたのですが、半日陰に移して、朝晩鉢の土が乾く前に水やりをしたのです。暑さと乾燥に強い南国の植物たちですが、日本では鉢植えにし、冬場は室内などで冬越しさせます。地植えならば夜間地の底から若干でも水分が上がってくるし地温も下がりますが、鉢植えはもろに高温乾燥となりますから、植物は水を吸うことが出来ず弱ってしまうのです。
西日に当てず、朝夕水やりするようにアドバイスいたしました。

今年はすでに十数鉢の植物を枯らし、果樹も相当ひどい状態でしたが、これはおそらく来年も再来年も続くと思われるのです。地球規模で温室化ガスや地球温暖化など、異常気象が当たり前になっていて、戦争する暇はあっても自然環境を守る金や努力を惜しんでいるのです。

目下の問題は、10本近い柑橘類です。おおむね暑さが好きな果実ですから、今のところほとんど落果はありませんが、例年に比べて数も大きさも不十分に見えます。当面、水切れにならないようにするつもりです。
秋になったら、ガーデニングも基本的な考え方を改めねば、と思います。今後昭和の時代ののんびりした暑さもほどほどの夏に戻る要素がありますか?当たり前の理屈ならば、来年以降はさらに暑くなっていくだろう、と考えるのが普通でしょう。

①非耐寒性植物でも簡易的な寒さ対策で屋外で冬越しさせること、②暑さに弱い果樹は処分も検討する、③夏場の渇水対策として自動散水する、④スイカはマルチングをしない、など根本的に酷暑・水不足に対応したガーデニングへ転換しようと考えています。

世間では、高校野球の真っ最中、審判も選手も応援席でも熱中症の人が増えています。死人が出る前に考え直さなければならないと思いますよ。涼しい秋に開催するとか、早朝・ナイター、ドーム球場での開催も検討すべき時期に来ているのです。お祭り・お神輿・盆踊り・・・・夏の風物詩はそろそろやり方をきちんと見直してほしいものです。

我が家では、今年から夏のBBGは禁止といたしました。
コメント (2)
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