植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

そんなバナナ 自治会も園芸も不条理であります

2023年03月12日 | 植物
不条理というのは、物事のすじみちが立たないこと、道理に合わないことを指しますね。

今自治会の最後の仕事、総会の準備に掛かっております。任期2年の残りがひと月となりました。自治会の仕事がこんなに厄介とは思いませんでした。28人の理事も等しく2年で全員交代になります。それ以外に、民生委員など各種公的団体や別組織の町内メンバーがオブザーバー出席するのですが、その中の数人は、任期が無くて10年前後あるいはそれ以上に長い期間同じ人間がその座に座っているので、自治会の中で大きな顔をしているのです。

理事会では、それぞれの部長や正副会長を差し置いて、持論を展開し今まではこうやっていると得々としゃべりだします。また、部外者なのにそれぞれの部にあたかも自分が実質的な実権者のごとく振舞い、口と手を出し、部長に渡した活動資金まで取り上げて自分の裁量で使うという始末だったのです。

「そんなバカな」ということがまかり通っていたのです。ワタシは実態を知らぬまま会長を引き受け、組織の運営がそうした人たちによって私物化されルールを無視されるのを目の当たりにして憤慨したり当惑した2年間でありました。結論は、むきになってもしかたない、不条理ながらケンカしたら負けだと思って我慢する、でありました。そして二度とこの自治会には関与すまいと思います。

さて、そんな自治会の為に残り少ない人生の貴重な時間を無駄に遣い、損した気分ですが、ようやく自分の時間を取り戻せると安堵しているのです。これからは書道と篆刻にも力が入ります。なにより暖かくなって待ちに待った「園芸」シーズンの到来であります。

既に、自家製の発酵肥料「ぼかし肥料」を仕込んだり、畑の土作りを行い、毎日せっせと草むしりをいたしております。バラの消毒が未済で気になっていますが、今日も時間が取れそうにありません。今日は果樹コーナーの草取り・整備を優先しようと思います。また夕方には自治連の会長会議と・最後の理事会が待っていて気ぜわしいのです。

果樹は、プラム「サンタローザ」が満開に花が咲き、桃の仲間が蕾をつけています。柑橘は収穫を終えて礼肥と、下枝などの剪定を済ませました。りんご類やイチジクはまだ新芽が膨らんできたところであります。

最大の関心事は懸案だった「アイスクリームバナナ」であります。
これは、3年前にバナナを育てて収穫したいと植えたことから始まります。それ以前にも「アケビバナナ」を植えました。ピンクの花が咲き実も付きましたが、実が充実して食べられるようになる前に秋が来ました。当然食用に適さず、場所ばかり採るのでその年で栽培をあきらめたのです。

バナナは消化が良く糖度が高いので糖尿病の持病を抱える自分には危険な食物と考えていました。これを食べると急激に血糖値が上がると友人にも言われていました。果物全般、糖分・カロリーが高いので、自分がそうした体に悪いものを育てる事自体「不条理」なのです。しかし、よく調べてみるとバナナは果物の中ではかなりGI値(ブドウを100として血糖値の上昇率を数値化したもの)が低いのです。しかもカリウムを含んでいて血糖値を下げる効果があると書かれています。カロリーを過剰に摂取するリスクと血糖値を抑制するメリット両方を併せ持つ「不条理」な果物と言えそうなのです。

バナナは南方の果樹で、普通は亜熱帯のジャングルみたいなところに自生するのです。そもそも寒さが厳しく夏も短い日本の風土には栽培が適しません。しかし、果樹を育て自前の果物を食べる、ということに意義を感じている果物好きなオジサンなので、自分で作りたい、という欲望・衝動に抗えないのです。実際パッションフルーツやロンガンといった熱帯性の果物も、温室を活用してわずかながら栽培に成功しています。

そしてネットで見つけたのが「耐寒性」があるバナナ「アイスクリームバナナ」でありました。Blue Java banana といってアイスクリームのような食感なんだそうです。虫害に強く、寒さにも耐える、そしてくちどけがいい食用バナナと聞いて早速苗を取り寄せました。

春に植え、順調に育ちましたが幼苗で冬にはあっという間に枯れてしまいました。翌春には地下からタケノコのような新芽がメキメキと伸びてきて夏には隣家の2階の高さまで伸びたのです。しかし、花は咲かずじまいで冬を迎え春先は先端から根元まで半透明の茶色に変色してしまいました。幹が凍って地上部全部が溶けたようなものです。

そして昨年秋、これでは前年の二の舞になると思って、幹にプチプチ(梱包材)を巻き付け、一本は古い絨毯をぐるぐる巻きにしてロープで止めておいたのです。株元には枯れこんだ葉っぱ切り取って積み重ね、もみ殻を大量に撒きました。これで防寒になるかは不明でしたが、何もしないよりはマシというものです。

そして、暖かくなったので、昨日意を決して、この防寒材を除きました。やはり、10本近い幹の大半は先端が茶色になり枯れていました。これは先端から新葉が出ないだろうと思って半分くらいは切り落としました。すると何分も経たずに中心の白い所が1センチほど伸びたのです。これは周囲のスポンジに水を含ませたような構造の外皮に守られ、地上部が生き残った証拠です。

自分の防寒対策・凍結防止対策がうまくいったかどうかは分かりませんが、立派に冬越しが出来ていました。幹は硬く濃い緑色が保てておりました。しかも3本の先端にはなんと新しい新芽の穂先が覗いているではありませんか!。


4年目を迎えた株はしっかりと根張りが出来ていて、しかも幹が温存出来ているのです。早い段階で葉っぱが茂ったなら花芽が付き、秋になるまで熟すための日にちも確保できるはずではないかと期待しております。バナナはもともと生長が早く、環境が良ければ植えたその年から収穫できるのです。

自分では食べられないような果物を植え、日本では作るのが難しいバナナを植える、もし沢山収穫できたとしても、家内はアレルギーが出てバナナは無理かもしれません。よそ様に差し上げるよりないのです。自分の行いあるいは園芸と言うものもまことに不条理でありますな。
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