植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

お笑いを目指すのは勝手だが 夢は結局夢

2022年12月20日 | 雑感
毎日1年前の自分のブログの記事がどうだった、とメールが来ます。
去年の12月19日のワタシのブログではなんと、全く昨日と全く同じ日に「初氷が張った」という内容でした。ジャガイモの収穫や鉢物の冬越しといった作業についても同様の記載がありました。

昨年に比べてワタシが成長した(学習した)のは、非耐寒性の鉢植えを3週間ほど早く、次男に頼んでほぼ終わらせていたということでした。昨年は氷が張って寒くなってから、あわてて屋内へ運んだのです。その時点で植物自体は寒さで傷んでいた、重たいものを中途半端な姿勢で運んだので自分の腰を痛めたのでした。
その反省から今年は事前に事を運び、重いものは倅が運んだので、首尾は上々というところであります。

さて、ここ数日はサッカーワールドカップのアルゼンチンの優勝と、M-1グランプリの話題がネットからニュース記事に至るまであふれかえっています。Wカップは試合内容はもはやどうでもよくて、アルゼンチンの乱痴気騒ぎ、サポーターが裸になった、やれメッシがカタールの民族衣装のショールを羽織ったなどと能天気な話が大半であります。こんなので、暴動を起こしたり命を落としたりするのはバカみたいだと思いますが。マラドーナ以来のスーパースター、メッシにとっては、夢と言うより悲願の優勝杯を手にしたのですから、喜びはひとしおであったでしょう。

一方単なるお笑いの若手の登竜門のMー1も、いまだに優勝者がひとの悪口をネタにしたとか、審査員がどうだったとか盛り上がっております。夢があって明るい話題で、お気楽でいいのだ、とは思いますが、同時にこの程度のことをいつまでも最も大きな関心事にしていていいだろうか、とも心配してしまいます。

ワタシの知ってる人間・親しい友人で家族の事などを話す人の数は、せいぜい100人かそこらでしょう。昔からの仲間であろうが同級生同僚にしても、そんなにプライベートな会話はしません。そんな数が限られた知り合いで、息子がお笑い芸人をやっている(やっていた)という人を3人知っています。これは凄い確率であろうと思います。M-1でエントリーした漫才のペアが8千組弱でしたか。実際は、そんなものではなく数万人の若者がお笑い芸人を目指したり実際に仕事としてやっていると思います。大手のよしもと興行だけで6千人が所属しているそうです。

若者に夢を持て、とは言いたいのです。しかし、お笑い芸人になれるのは宝くじに当たるようなものだとも。彼らの進んでいく夢は、浮き草稼業の典型で、口先だけで有名になって金儲けが出来るのだ、という安直にしてムシのいい幻想にとらわれていると思わざるを得ないのです。これはユーチューバーなども同類で、ろくに勉強や努力もせず、うわべだけの思い付きや小手先で大金を掴もうとしているように見えるのです。

実際、テレビや舞台で活動できる芸人・漫才師はわずかでありましょう。それですら、お笑い番組は減り、著名なタレントやお笑いがひな壇に座って、面白くもない楽屋話に手を叩く、というような下らぬ番組に出るのが夢というのはなんとも哀れな人生であると感じます。

そんな芸を磨いたり披露するような場所に呼ばれもしない大多数は、居酒屋のバイトみたいなことで生活費を稼ぐことになっているのでしょう。ワタシの高校時代の友人の息子さんの一人は、10年ほど前に見切りをつけ結婚を機に田舎に戻ったそうであります。結婚式に「ハライチ」が来てくれたと自慢していましたが。
もう一人京大工学部に行った優秀な同級生O君の息子さんも今年、お笑い芸人の夢を断念し営業職を目指して、車の免許を取りに行っているとか。30才越えてから大した学歴・職歴もなく車庫入れすらできない人に、生活に十分な仕事が簡単に見つかるというような社会環境ではないのが心配です。

コンビニの店長の息子は、普段からおかまのような身なりで、「マツコデラックス」あたりを意識しているのかもしれません。数年前に「よしもと興行」に入った、と店長は嬉しそうに話していました。勉強嫌いでまともに学校に行かず、30才すぎまで親の経営するコンビニの店員をしていた人間が、よしもとに多少の月謝を払ったくらいで稼げるなら世の中誰も苦労しないと思います。

高校生のあたりから、そんな芸人や歌手を夢見て、人生で一番大事な時期にすべき勉強や辛抱・社会経験を経ずして、夜昼逆転みたいな生活に浸る、そんな若い人たちが多いのでしょうか。正規雇用のきちんとした仕事にありついて、結婚し家庭を築く、などといった当たり前の人生が待っていると良いのですが。

夢を買うのだそうです。年末ジャンボ宝くじが盛んにCMに出ています。ワタシの知っている1等は3億円でしたが、いつのまにか10億円になっております。過去30年みんなの実質所得は減っているのに、電気料、学校の授業料や特殊詐欺の被害額などは増える一方であります。数十万人に一人しか当選しないのに、自分が当たりくじを引くかもしれないと、「なけなし」の1万札をつっこむのだそうです。そう人に限って貧乏くじしか当たらないのに。

そんなのは単なる「夢」
夢は実現できないから夢、目が覚めると現実しか待っていないのに。
コメント (2)
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