今日は予定では鶏血石鑑定のお題でありましたが、当然ながら急遽変更してワールドカップ第3戦です。
「生きていてよかった」勝たせていただいたスペインには感謝であります。
48年前、ワタシは横浜の金沢文庫にあった、Y国大の学生寮に寄宿しておりました。戦前に建てられた木造2階建ての寮は、当時ポットン便所でした。2階にある畳の部屋がテレビ室で、何十年前の物かわからないボロ毛布や布団がそこらにあって、寮生はこれがカウチソファ兼こたつ兼カーペットでした。
そこでみんなが夜中に食い入るように観たのがワールドカップの試合でしたね。西ドイツやイングランド、ブラジルなどの世界一流の選手の活躍を感嘆し興奮しながらみました。あの頃の日本はアジアでも2流、アジア予選でも中東勢には歯がたたず敗退を繰り返していました。小さなブラウン管テレビの向こうの国際大会は、ワタシ達にとっては遠い別世界で、こんな大会に日本が出場するなど夢想だに出来なかったのです。
それが、いつの間にかワールドカップの出場が7大会連続、これは今回の32ヶ国の内のわずか9国しかいません。もはや強豪国の仲間入りといってもおかしくないのです。26名の選手の内欧州クラブでレギュラークラスの活躍をしている選手が過半数を占めて、過去最強チームとも評される陣容でした。
死の組といわれ、優勝候補のスペイン・ドイツと同組になった時、どれだけの人が日本の予選突破・1位通過を予想できたでしょう。そして、前回のコスタリカ戦でまさかの1点負け、スペインに勝てるなどと能天気な予想をするのはサッカーを知る人にはとても出来ない事であったでしょう。
コスタリカ戦で敗戦を目の当たりにした瞬間、今回のワールドカップは終わった、と思ったのはワタシだけではありますまい。その時の記事がコレ(笑)
日本が負けたコスタリカに7-0で一蹴したスペイン、世界最高峰のリーガ・エスパニョーラの国、あのメッシやクリスティアーノロナウドなどが活躍した国から選ばれてきたチームに100回やっても勝てないだろ、というのが素直な感想でした。
そして今朝、期待していなくても(負けるとわかっていても)やはり観戦しようと、目覚めましたが寝坊しました。試合開始後20分でテレビを点けたら、案の定すでに失点しておりました。相変わらず1トップの前田は走り回るだけ、スペインに圧倒的にボールをキープされていたのです。スペインは、先制したこともあってか余裕のボール回しで、ケガをしない無理をしないように戦っているように見えました。審判の、日本に対する不可解なイエローカードもイラっと来る展開でした。
そして、後半開始間もなく、森保監督お得意の戦術「三笘」を始めました。長友と久保を下げる、これも予定通りでしょう。すると、絵にかいた様に、入ったばかりの「堂安」が、相手GKの緩慢なパスを伊東のヘッドで競り勝ったこぼれ球をDFをかわして一つ突いた後、目の覚めるようなミドルシュートを叩き込みました。この時ばかりは必死にGKに迫った前田のプレスがチャンスを作り出しました。
さらにそのわずか数分後、今度は右からのクロスをゴールラインぎりぎりのところで足を出して切り返した三笘のボールを飛び込んだ田中碧 が合わせて勝ち越しゴールを決めました。堂安・三笘の投入が見事に逆転劇を作ったのですから森保監督の面目躍如でありました。どうして、試合開始からこの二人を起用しないのかという疑問は残りますが。
この時、ワタシと家内の目には、ゴールラインを割っていたように見えました。ボールがラインから完全に出てなければインプレーとなります。スローのリプレーでも肉眼で数センチほどラインから出ていると思えたのです。しかし今大会のVAR判定、AIで写真判定したらボール真ん中の膨らんだ端っこが数ミリライン上に残っていたのだろうと思いますが、これが運命の分かれ道になりました。
リードした後の38分がなんと長かったか。そしてロスタイム7分がきつかったのです。それにしても、スペインは8割近いボール支配ながら、ガツガツ点を取りに来なかったように見えました。得意の早いパスワークも、ペナルティーエリア内に仕掛けるドリブルも少なかったのです。シュート数がスペイン5と少なければ、日本はわずか2本、これが両方ともゴールとなるのが不思議なところでした。
スペインのプレーが、コスタリカ戦でルーズだった日本の戦い方に重なりました。予選突破が確実なスペインは、無理するな負けてもオッケー、と指示されていたのか?どうであれ、結果はEグループを1位通過ということになりました。これこそ「ドーハの奇跡」と呼ばれることになるでしょうね。
さて、いよいよ決勝Tに入ります。森保さんが目標にしていたBEST8に残れるか。前回大会2位のクロアチアは、F組を2位通過、モドリッチ率いる強豪国ではありますが、勝機はある、と見ます。
これまで2回チャレンジして果たせなかったベスト8。
「三度目の正直」といいます。期待を込めて言うならばちょっと調子が上がらなかった鎌田・遠藤などに頑張って貰いたいと思うのです。
がんばれニッポン