植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

どうかメダカを死なせないように 水替えとエサやり

2022年05月29日 | 動物
屋上にいる4,5千匹のメダカたちが旺盛な食欲をみせています。いささか過密ながらも、広々としたメダカプールで泳ぎ、水温が上がり好きな日光を浴び、ワタシから与えられる3種のエサがあるからです。

ワタシの姿を見ると「飯だ!」とばかりに寄ってきます。これが可愛い。

メダカは雑食性で、動物・昆虫・植物・藻などを好き嫌いなく食べることで、ひ弱で小さい個体のメダカ種を保ってきました。食べる尺度は、口に入るかどうか、自分たちが産む卵は口に憚るので食べ物にならず、孵化したばかりの稚魚(針子)は、口に入るので立派な生餌であります。

この時期は、水コケ・水藻が増えてきて10日ほどで透明な水が緑色に来ます。これは「グリーンウォーター」と呼び、日光が十分に当たっている証拠であり、彼らにとって必要な食事が少量ずつながら確実に口に入って来るからです。

素人さんだと、水が濁ったと勘違いして頻繁に水替えします。すると彼らにとっては、水温が急激に変化する、カルキ残存の水道水によっていっぺんに環境が変わるストレスが生じ、泳いでいるだけでは栄養が取れない、外敵(小鳥)から襲われる、といったリスクが増すので、最悪死なせてしまうということが起きるのです。

一方、グリーンウォーターを大事にし過ぎると、今度は水底に溜まる糞が増え、水質がいつのまにか悪化していることに気づかない、という恐れもあります。毎日水質をチェックし、すこしずつ足し水し、糞が溜まっていないかを目視、臭いを嗅ぐということがとても大事なのです。特に今の時期水温が急激に高くなってきますから、水質悪化のペースが上がります。更に40℃を越えるとメダカは煮えてしまいます。手を突っ込んでお風呂のお湯の加減を測るのと同じで、まだぬるいな、と感じるのが水温の上限であります。

それでは孵化したばかりの稚魚はどうか。これが一番難しいのです。メダカの死因の一番が「飢え死に」という説があります。卵が置かれた環境で、その死因は大きく変わりますから一概には言えません。例えば親たちと同じプールの中で孵化すればほぼ100%捕食されて残存できません。

 生まれた瞬間には、混じりけが無く栄養分の無い、きれいな水道水がいいのです。生後1,2日は何も食べないのです。しかし。水流にあたるだけでも死んでしまうようなひ弱な数ミリの稚魚ですから、水が汚濁していたり、病原菌が含まれていれば死んでしまうことも多いのです。

餌は、大人と同じ成分を粉末にしたものが売られています。自然界では川の水に含まれる動物性・植物性の微量の粒子にありついたものだけが成長します。このエサやりが第一の関門です。前述のグリーンウォーターで飼うのも有効な育て方になりますから、孵化した容器はひと月ほど水替えしない、少しずつ足し水をし、スプーンやすくい網でそっとゴミや糞などを取り除く、といった配慮が必要になります。エサやりはすこしづつ一日3,4回与えるようにしています。餌が多すぎると沈殿して腐敗する・水質が悪化する危険がありますので毎日様子を見て、稚魚が死んでいる数を目安にします。

メダカの稚魚は、一定の確率で死にます。これは避けられません。小さな体なので一日でも餌を食べなければ弱って死んでしまいます。弱い個体は様々な理由で、生存競争を生き残ることが出来ません。仮にある程度成長したとしても、同じ時期に孵化した兄弟たちに比べて極端に小さいままの成魚になってしまいます。弱肉強食の自然界で生き残る魚はわずか、だから数多くの卵を産むのであります。

こちらがおよそ生後3週間の稚魚達。

そんなことをしながら、恐らく半分くらいが生き残り、1㎝ほどの大きさになるのが3,4週間後です。徐々に離乳食を与えることになります。といっても、親用のエサを指で少しすり潰して与えるだけですが。ここまで生き残ったのは、自分で活発に餌を求めて泳ぎ回る元気で健康な個体ですから、死ぬことはほとんど無くなります。採卵したら1か月が勝負、エサやりと水替え、更に水温には一番気を遣うのであります。
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