ブルーレーディスク作品として、昨年男子最年少で直木賞を受賞した、朝井リョウさんの「桐島、部活やめるってよ」を選び、じっくりと鑑賞させていただきました。画質がよいのは当然として、映画の出来ばえもなかなか良いものでした。2009年にすばる新人賞を受賞し2012年に映画化されたものです。主演は神木隆之介さんで、この年の日本アカデミー賞その他総なめのヒット作です。結局、タイトルにある桐島君は一度も登場せず、彼を取り巻く人間模様が、それぞれの立場で描かれており、新鮮な視点で出来事が輻輳して描かれており、できの良い映画でした。見る人それぞれの立場で、受ける印象が随分異なる映画です。映画の顛末は実に単純で、バレーボールで活躍していた桐島君が県の選抜メンバーに選ばれ、もう推薦で大学へ入学が可能となり、所属する高校のクラブも、通っていた塾もやめ、ついでに彼女まで振ってしまたという内容の映画です。ところどころ聞きづらいところもあり、字幕スーパーを表示させてみると、思わぬ発見があったりしました。何時の時代も若者言葉は独特なのでしょうか。
原作者の朝井リョウさんは岐阜県立大垣北高校から早稲田大学文化構造学部に学んだ、新進気鋭の作家です。(自身も高校時代はバレー部所属だったようです。)現在は映画会社の東宝勤務とのこと。(←未確認情報です。)生徒諸君が使っている携帯電話がスマホでなく、一時代前なのも、しっかり時代考証をした結果でしょう。何気ない日々の一断面を、色々な人の視点から描く、面白い作品でした。見て、損をしない作品です。是非貴方も一度ご鑑賞ください。