いつの時代にも、社会を牽引する人なり組織があった。例えば、1980年代から2000年あたりまでは、マイクロソフト社のビル・ゲーツ、アップル社のスチーブ・ジョブスが時代の牽引者だった。しかし、この世の中は一つの法則に支配されているのをあなたはご存知ですか?その法則とは、
「どのような組織も人も、時代のトップであり続けるのは、30年間が限度である。」
というものです。
アップル、マイクロソフトが牽引してきたこの30年、時代は新たな牽引者を必要としています。その有力な一つがGoogle社であることに異論は無いでしょう。「すべては、使う人の為に、便利なツール、便利なシステムを社会に提供しよう。この世の中の全ての知識を整理しつくしたい。」会社の社是が頗るふるっている。Googleのお陰で、メールも、マップもそして動画もいつでも使える便利な世の中が出来上がった。Googleの創始者のセルゲイ・ブリンもラリー・ペイジも時代の新たなプロデューサーといえる。Googleのお陰で、知りたいと思うことは簡単に検索できるようになった。動画を扱うYoutubeのお陰で、お蔵入りしていた貴重な動画像データも他の人々と共有できるようになった。「すべては使う人の利便さの為に」の精神が生きている。
この30年、一人の技術者としての驚きは、インターネットの発達、ICT技術の高度化など情報関連分野の急速な発展が挙げられます。衝撃を最も受けたのは、コンピュータ業界の巨人IBMが独自OSを諦め、システム作りが「オープン・ソース化」されたことです。自社OSとしてオープンなLinuxを採用し、システム開発自体の「オープン化」を始めたことです。この決断は本当にギリギリの決断だったと思います。それ以降、IBMは真の意味において、「システムインテグレーター企業」になったと思います。顧客オリエンテッドなシステム開発が言葉通りのものとなったのです。コンピュータというハードを売る企業から、企業組織を司る社会的なシステムを総合的にプロデュースする会社にIBMは変貌したのです。この事業態は、実は日本発のもの、日本という独自社会が生み出したものであることを知る人は少ない。日本という社会に根ざした企業態が、実はよりグローバルな企業態であったことが、はからずも実証されたのです。
若い人々が、情報系の大学などで学ばれるときに、この「オープン・ソース化」の流れを常に意識して学んでください。きっと参考になると思います。