小島教育研究所

教育関連ブログです。数学を筆頭に学問全般に渡る有用な情報を提供致します。
東海生、名高生、半高生に最も読まれています。

ポアンカレ予想のその後

2009-11-18 | 日記
 ロシア人数学者(数理物理学者)である、ペレルマン氏により、解決されたとする「ポアンカレ予想」は確かに世紀の大発見でした。ペレルマン氏が証明したのは「サーストンの幾何化予想」問題であり、その一部に「ポアンカレ予想」を含むものでした。ワシントン大ストニーブルック分校での2002年4月の同氏による論文発表は二重の驚きをもって聴講さfれた。一つは、ポアンカレ予想の証明がトポロジー(位相幾何学)ではなく、微分幾何学であったこと。またその証明が位相幾何学者にとって、その意味が全くわからなかったこと。
 ペレルマン氏の論文(3篇合わせても67ページ)は極めて難解であり、その「解読」に時間を要した。「ポアンカレ予想が解決された。」という世界的なニュースは、スタンフォード大学教授の談話としてAP通信により配信された。
 しかし、ここ日本では、名古屋大学大学院多元数理学科の小林亮一教授、ならびにお茶の水女子大学の戸田教授により、その正しさが検証された。(定期的なセミナーで解説された。)
 現在では、複数の数学チームにより、ペレルマン氏の論文解説の文書が入手可能となっている。
もっとも、そのページ数は238頁、496頁と原論文より長大なものとなっている。

また、現在ペレルマン氏は物理学のあらたな結果を得ている模様であり、こちらも、ノーベル賞級の研究とのことであり、フィールズ省についで、ノーベル賞も辞退というケースも十分考えられます。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

数学オリンピック国内予選・本選

2009-11-12 | 日本数学オリンピック
日本数学オリンピックについて

2010年1月11日(祭日)予選
   2月11日(祭日)本選

が実施されます。

全体の流れは、以下の通りです。

 予選は3時間で12題を解き、年によって若干の変動はありますが、7題正解が予選通過ラインです。
 受験者は年を追うごとに増加しています。例年約2,000名の予選受験者のなかで、本戦に参加できるのは100名弱です。本選通過者は例年20名前後であり、春の合宿(東京代々木旧オリンピック選手村)が行われ、6名の日本代表が3月31日に発表されます。

 本年度は世界大会(ドイツ)にて、日本は過去最高の2位を獲得(5名の金、1名の銅)しました。ちなみに1位は中国でした。
 数学の他流試合として、ぜひあなたも参加されては如何でしょうか。
 なお、予選は答えのみを記す、客観テストであり、本選はすべて記述式です。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本数学コンクール設立趣意書(原点に還ろう)

2009-11-09 | 日本数学コンクール
    日本数学コンクール委員会
(Japan Mathematical Concours Comission)
        設立趣意書
 平成2年(1990年)9月8日 日本数学コンクール委員会

 最近の日本の産業・経済発展は目覚ましく、世界の注目するところであり、新世紀に向けて更に一層の発展と世界への貢献を考えるとき、理数科学を含む諸科学や高度技術の進歩に必要な数学や数学的思考力の育成が必要であろう。

 一方我が国の現状を見るに、進路の分かれ道である高校は、優れた数学教育のカリキュラムを目指しながら、大学入試などに圧迫されて、そのことが必ずしもうまく機能しているとは言い難い。平生からゆっくり考えさせるなど、大学入試などの改善も考えられるが、一律にそうするには種々の困難があろう。そこで、数学教育にも多様化や個性化が必要になってくる。

 今年京都で開催されたInternational Congress of Mathematiciansでの日本の数学者森重文教授がフィールズ賞を受賞したことと、Internatianal Mathematical Olympiad に日本が初参加したことは意義深い。優秀な生徒を見つけるばかりでなく励まし、数学の問題解決力をのばすことは、コンクールに参加した多数の生徒等の数学教育に役立つものと我々は考える。

 世界には、国内選抜を始め地域別選抜や、それと直接関係のない数学コンテストなど種々の数学コンクールが競い合っている国も少ない。しかし、日本には、上記国際コンクールの国内選抜が今年開催された以外に、高校生を含む全国展開の数学コンクールはなかった。

 そこで、我々は下記のような特徴をもった時間的にも解法的にも自由なコンクールを目指して、下記委員を含め40余名の大学・高校教員で日本数学コンクール委員会を発足させることになった。

 平成2年(1990年)から新たに”日本数学コンクール”を開催する意義と特色を上げる。

1.若い才能の発見

 日本の高等数学教育の内容に沿うものであるが、解法的には自由なコンクールで多方面での才能を調べる。これによって、21世紀の新しい科学・技術の基盤を担っていく夢とロマンを秘めた若い人材を発掘していきたいと考えている。

2.数学的才能の発展

 数学的才能には、通常の試験で試される決められた範囲の技巧で決められた時間内に与えられた問題を解くというものの外に、もっと本質的なものがあるように思われる。それはこれらの技巧自身を自ら作り出し、それによってその問題を含む一つの分野を開拓してゆく力であろう。これを試すために、時間にあまり制限を設けずに、多面的に本当に考える問題を与える。

3.多彩な才能の評価

 優秀な数学的才能を持った生徒や隠れた才能の持ち主に励みを与えるために、各種の賞を設ける。

4.新しい数学の発見

 数学的本質に根ざした楽しい問題や、特別訓練しない中学生にも意味がわかる問題なども含めるため、高校数学のカリキュラムには必ずしもとらわれない。一般の批判を受け、それに耐える数学コンクールにするため、問題は広く公表する。一般の人にも頭の体操として楽しんでいただきたいと考えている。

5.参考書などの持ち込み可
 参考書、ノートなど持ち込み自由のコンクールであり、弁当・コーヒーもかなり自由に飲食できる。

  

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第20回数学コンクールの結果

2009-11-05 | 日本数学コンクール
第20回日本数学コンクール表彰式が11月3日(火曜日)午前10時より名古屋大学野依学術記念館にて行われました。

・表彰式 演  奏:東海高校オーケストラ部員4名
     開会挨拶:名大大学院多元数理学科教授 大澤 健夫
     総長挨拶:名大総長          浜口 道成
     来賓挨拶:愛知県教育委員会      小島 寿文

     表彰状授与(コンクール、論文賞の順)

     コンクール(高校生部門)

     大 賞:大手前高校3年 澤田 晃一郎
     優秀賞:東海高校1年  杉本 暁彦
         東海高校2年  武藤 康史
         高津高校1年  バセダ メヘディ 保
         大手前高校2年 藤澤 卓馬
         岸和田高校3年 石川 勝巳

     コンクール(中学生部門)

     大 賞:愛知教育大学付属岡崎中2年 丸山 泰
         東海中学3年        中西悠馬
     優秀賞:東海中学3年        久留宮 徹
         東海中学3年        青木 雄大

     論文賞

     大 賞:南山高校3年        武田 久輝
         東海高校数学研究会   2年武藤 康史 因田 知弘
                     3年片岡 武典 石田 哲也
                       只野 之英 館 祐樹
                       服部 貴也


 コンクールならびに論文賞に参加してくださった全ての方々へ。

 受賞者された方々、おめでとうございます。来年は今年以上の成績を上げられるよう、さらに1年精進してください。
 惜しくも、入賞を逃した方々、来年は入賞できるよう、さらにご精進下さい。
     
  

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする