2013年度は夏休み以降、studyaid プレゼンテーション機能を使用して、全ての授業をAV教室のプロジェクターを利用して行った。対応教材は、数学Ⅰ、A、Ⅱの3冊。教科書番号310、309。
プレゼンテーションシステムは、発表後まだ日が浅く、これを用いた授業実践は、中学で多く、高校ではまだ実践例が少ないといいます。
約半年間、授業準備は大変でしたが、他の先生方にも十分示唆に富んだ実践報告が出来るかと存じます。
過日、数研出版より「授業参観」の申し出があり、東京、名古屋から各1名の方々が来校されました。日頃の授業とスタイルはまったく同じで、生徒諸君もいつもと変らぬ状態で授業を受けてくれました。(4G、4H、4Kの皆さん協力有難う)
ご覧頂いたのは、数学Ⅱ第5章対数の授業であった。春季特別期間で授業は1コマ70分であり、対数の部分は、3コマで終了するように、授業計画を立てた。やや時数不足気味で、説明できない練習問題等は、解答解説を用意し後日配布した。
今回の授業実践で気のついた点を以下に列記します。
1.全体の授業の集中度はかなり改善された。特に成績下位層の授業参加、授業理解がより
深まったように感じた。事実結果は成績に正直に反映された。下位層の絶対的人数が激減
した。これは、授業の進め方そのものに起因する現象であろう。例題の解答を拡大表示し、
式から式への変形を克明に解説することにより、基本事項の定着がかなり図られたように思
う 。説明は、極力省略を避ける方針で行った。
熱心な生徒は、最前列に陣取り、意欲を出してくれた。
2.教科書の随所にあるアニメ風教材は人気があった。(特に軌跡など)
3.プレゼンテーションシステムの中から、予め編集した教材を黒板として表示出来る点は有難いと
思う。この黒板モードで特に要望することは、画面の上下左右のスクロールに矢印キーを
対応させることです。『手のひらマークでの移動は、意外と面倒です。』
4.デジタル教科書の各ページに附属している、ノートへの入力をより簡便にして頂きたい。
『ノート』の入力、編集をstudyaidで出来るようにして頂きたい。
5.関数、あるいは図形(立体など)を効果的に表示するために、Grapesを併用した。
6.各練習の解答準備は意外と手間がかかる。以下その手順です。
1)studyaidにより、デジタル教科書を選択し、対象問題を選択します。
2)出典名(教科書番号、練習番号)をカットし、問題表示域にペースト(貼り付け)します。
この作業をしていないと、次の黒板モードへのファイル変換時に、出典名が非表示になり
ます。(これを、問題数分繰り返します。)
改善項目:このあたりは、自動化して欲しいところです。
教材ファイルから黒板モードへのファイル変換時には、出典名ファイルに抱え
るようにしてください。
また、保存形式を教材モードから黒板モードに変換するときの、変換の仕方が
分かり辛いので、改善をお願いします。
3)出来れば、解答解説を、節単位に黒板用ファイルに予め変換したものを出荷時に標準
に添付して頂きたい。
7.「ここで、補足説明をしたい」という衝動にかられたとき、それを効果的に表示する手立てが
ないので、それを実現するツールをご用意願いたい。
1)手書き入力を表示できるようにするツールを開発して頂きたい。
2)その場で、スタディーエイドモードに切り代わり、補足説明できるようにしたい。
(グラフモードの利用が出来ると良い。)
8.教材データを改変するとき、図形データがづれることが度々ある。出来れば図形データは
すべてグループ化して出荷願いたい。
(担当の方によれば、古いデータはグループ化の機能がなかったためという。)
9.studyaidプレゼンシステムを使いこなすには、sutudyaidの操作に、3年ほど習熟する
必要があります。最低でも、教材の改変が出来ることが必要です。
10.教材データの共有化のため「SNS版studyaidフォーラム」(仮称)を開発して頂きたい。
11.将来的には、studyaid+プレゼンテーションシステムをstudyaid-workbenchとし、
数学の先生方がSNSで繋がるシステムが理想です。また数学以外の他教科でも使えるシ
ステムになり、タブレットタイプでも同様な操作ができるシステムに成長して欲しいと思いま
す。
以上、現時点で考えられることを列記しました。
この記事がきっかけとなり、studyaidが更なる発展を遂げることを念じております。