8月23日、本ブログにアップルのスティーブ・ジョブス関連の記事を書いた。翌日、当のスティーブがCEO辞任を発表、そして役員会に受理される。
すい臓癌におかされ、余命いくばくもないスティーブの名誉のため、彼について私の知る範囲を以下に記す。
彼の優れているところは、あったらいいな、自分も欲しいな、と思える製品を企画しそれを実際に作り出す才能に恵まれているところだ。
それは、入学後にすぐ退学してしまったリード大学にて、退学後もカリグラフをしっかり学んだことだ。カリグラフ(西洋書道)とは、あくまでも綺麗で、美的な書体を目指すことだ。このときの体験が、マッキントッシュの豊富な書体を生んだといえる。商品としての完成度にこだわり、妥協を許さなかった姿勢は敬服に値する。
そんな彼、および彼の生み出す製品を扱う日本企業は多い。まだよちよち歩きのアップル社を支援していたのは、日本の帝人であり、キャノンであった。帝人は、アップル社製品をここ日本で正式に販売していた。また、とてもマイナーではあったがキャノンのCXーⅠというコンピュータはアップルⅡに5.25インチのFD(フロッピーディスクドライブ)を標準で搭載したモデルであった。(主記憶は標準で32Kバイト、オプションで+32kバイト増設可能であった。)
ゼロックスのALTOを見てLISAを造ったスティーブ。さらに個人用に徹底的にリファインしたものが、かのマッキントッシュであった。
天才、アラン・ケイの作品から啓示を受けるところが、天才スティーブの面目躍如と言えます。
私自身も、CMU(カーネギー・メロン・大学)の倉庫に眠っていたALTOの電源を入れて実際に使ってみたときの感激は今も鮮明に覚えています。手作りのキーボードと、手作りのマウス、ゴロゴロと大きな音のでるHD(ハードディスク)はとても人間味あふれたものでした。スティーブの人となりを、もっと知りたい方は、2005年(?)のスタンフォード大学卒業式における彼のメッセージをお読みください。
彼の健康回復と、更に世の中を楽しくしてくれるさらなる新製品を一つでも多く、この世に生み出していただければ幸いです。
コンピュータ関連の技術を熟知せずとも、優れた製品は生めるのです。