先日、慶應義塾大学の名物先生がお亡くなりになりました。日吉(教養部)にて人文地理を担当されていた、西岡秀雄先生。1979年に停年をむかえられた。当時は、マスコミでも良く取り上げられており、「世界のトイレ事情、世界のトイレットペーパー」の授業は学内ばかりか、学外でも有名であった。毎年の入学者の多くが履修する「西岡の人文地理」を不覚にもとっていなかった私は、3年次専門課程に入ってから履修した。
1.気候周期700年説は説得力があった。(寒暖の周期が700年であることを、文献上だけでなく、縄文杉の年輪からも割り出している。)
2.気候と音楽(民謡、童謡)の音程との関係。(北方ほど音程が低く、南方ほど音程が高い。)
3.管楽器、弦楽器の起源とその発展およびその特性。(なぜオーケストラの演奏会でカーテンが閉まっていないのかの秘密。)
4.気候が人に及ぼす影響。(気候による鼻腔の発達への影響。)
5.ヴァイオリンの弦の材質と弓の材質、松脂の産地について。
いまでも、西岡先生の授業を鮮明に覚えています。
周到な調査と準備に裏付けられた授業は、教師の端くれとして、私は常に参考にさせていただいてまいりました。
西岡先生、有難うございました。
西岡秀雄先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。