風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

「空海と密教美術」展に行って来ました。

2011年09月04日 | 学習
9月3日、台風が来るって言うので、東京国立博物館で行われている「空海と密教美術」展に行った。
東京国立博物館は、本館・東洋館・平成館・表慶館・法隆寺宝物館・資料館・庭園、そして敷地外に黒田記念館があり、
本館では9月4日まで『孫文と梅屋庄吉展』、「空海と密教美術」展(9月25日まで)は平成館で行われている。
黒田記念館は正門を出て右に行った交差点にあり、入場無料だが現在夏休み(2011/6/30~10/12)、
入場料は600円、特別展は1500円だが、通常展も見ることが出来る。
館内は基本的に写真撮影出来るが、特別展など博物館所蔵でないものは撮影出来ない。

台風なので空いていると思ったのだが、人は思うことは同じ様でかなりの混雑でした。
雨は降っていなかったが、風が強くものすごく蒸し暑かった。
JR上野駅構内には、上野公園内の博物館・美術館等のチケット売り場がある。[空いていたらここで買うのがお薦め]


始めに法隆寺宝物館を訪れた。                    灌頂幡(建物の飾り)
 
第二室[金銅仏(個人所有だったと思われる小さい仏像)・後背等](次の写真は引用)


   

第三室[伎楽面]  

伎楽とは朝鮮半島から伝わった仮面を付けて練り歩く仏教儀式という。
異様に高い鼻は、天狗なのか西洋人なのか、男性のシンボルの強調なのか、いずれにしても極東アジアの感じはしない。

阿弥陀三尊像(小さい)              エントランスにある灌頂幡(レプリカ)
 

第五室[[金工]
国宝・鵲尾形柄香炉             国宝・竜首水瓶     国宝・墨水滴匙                 第四室 国宝・海磯鏡(対、8世紀)
   
資料室                                 黒門
 

表慶館[アジアギャラリ]                                          エントランス
  
インド
   
エジプト・仁像浮彫     西アジア・イラクの前22世紀の楔形文字土製品(10cm位)   中国・如来三尊仏龕(がん)
   
西アジアイラクの楔形文字の遺物はとても小さいものですが、感動です。紀元前25世紀のものなどもあります。
アフガニスタン・イラクなどの地中にはまだ多くの遺物が埋まっているかもしれません。
アメリカの軍事侵攻はこうした遺物を数多く破壊し、これからも破壊し続けるのだろうと思う。
アメリカは、金銭的価値が高いものは求めるが、そうではない人類の人類の貴重な遺物などには全く無神経のようだ。

この後『空海と密教美術展』の平成館に行った。
 

特別展は写真撮影出来ないので以下の写真は引用。
金念珠・伝空海所持                         飛行三鈷杵(ひぎょうさんこしょ)
 
国宝・密教法具                    国宝・諸尊仏龕(しょそんぶつがん)」        国宝・錫杖頭(しゃくじょうとう)
  
如意輪観音菩薩坐像       国宝・阿弥陀如来および両脇侍像        国宝・帝釈天騎馬像
  
国宝・薬師如来および両脇侍像                  国宝・大威徳明王騎牛像        国宝・金剛業菩薩坐像
  
国宝・梵天坐像            国宝・増長天立像          国宝・降三世明王立像         国宝・金剛法菩薩坐像
    
国宝・持国天立像           国宝 兜跋毘沙門天立像   毘沙門天に踏みつけられている邪鬼        
   
展示の様子

私は、かなり疲れたので本館の通常展示は見ないで帰ることにした。
台風の強い風が吹くが天気は晴れ、形容矛盾だが湿気たっぷりのフェーン現象のような高気温で、どこも寄らず帰った。
上野公園には多くの人が出ていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さて、私は密教についてはよく知らない。知らない私が批判というか疑問を抱くのは変なのだが。
日本では、確かに空海さんと天台・真言宗が広まっている。
私は、日本史と日本仏教について詳しく調べ、学ぼうとは思わないが、日本で空海さんと天台・真言宗が広まっている事情には、
日本人が一番早く伝えた仏教宗派という事情・背景があるのかもしれないと思っている。
宗教の教えが言葉や絵などでは説明できず、師から師へ伝承としてのみ伝えられる秘密の密教と言うのが私にはどうにも理解出来ない。
仏像も秘仏とされ公開されないし、公開される仏像なども写真の撮影も許されない。
偶像崇拝を非とするなら仏像を作らなければいいし、NHKなどのテレビ撮影なども許さず、ホームページや写真集でも公開しない方が良い。
力のあるものには写真撮影を許すのに、民衆には秘仏・写真は禁というのはどう見てもおかしい。
釈迦は、バラモン教とそれを批判したインド哲学・インド古代宗教に疑問を抱き、批判し、大衆をいかに救済するかに心を砕いた。
だが、仏教はインドでは広まず、東南アジアに広まった。
広まる過程でいろいろ分派して行った。
大乗仏教、小乗仏教、チベット仏教、そして中国の独自の宗教、儒教・道教などの影響を受け、融合・変容して行った。
密教は、空海が中国に渡った当時のかなり特異な仏教を移入したと私は思っている。
宗教は大衆と共にあって大衆を救済するものだと私は思うのだが、密教はどうもそれとは違うように思える。
平安末期から鎌倉時代にかけて、日本の仏教は大変貌・革命期を迎える。
宗教が民衆と向き合う時代の到来である。
21世紀に至っても釈迦が格闘したバラモン教のカースト・輪廻思想は今でもインドを支配し、大衆を縛り付けている。
六道や輪廻の考えはわたしはどうにも理解しがたい。
生きて苦しみ、死して後も苦しみ続けるのでは人に救いはない。
私には、真言仏教は釈迦の説く仏教では無いように感じるし、大衆仏教とも無縁のように感じる。
さて、だいぶ横道にそれてしまったが、密教の説く曼荼羅と大衆仏教の極楽浄土とは関係があるのだろうか。
似ているが、かなり異なものと私は感じているのだが。
修行・苦行は必要ない、念仏を唱えれば極楽浄土に行ける、念仏を唱えなくても阿弥陀仏を信じれば救われると説く大衆仏教が私は好きだ。
そんな違和感を感じながら、展示会場を巡った。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。