風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/ローズの秘密の頁

2018年06月13日 | 映画


サスペンス風映画で面白かったですが、難しかったです。
原題は、The secret scripture(聖書)、アイルランド映画です。
舞台は、アイルランド。北アイルランドではつい最近まで深刻な「紛争」が続いて来ました。
イギリスの「のどに刺さったトゲ」と長年言われ、「アイルランド問題の解決無しにイギリス労働者の解放は無い」
と言う趣旨のことをマルクスは言っています。
それは宗教対立、貧困の南北対立、民族差別、領土問題が複雑に絡み合い、
そして何よりイギリスが北アイルランドを属国的支配をしてきたからでしょう。
そんな複雑なことを舞台にしているのです。
映画は、それらが背景も言いたいのですが、物語のディテールを整理しきれず、説明できていません。
物語の主人公のローズはマイケルに恋しプロテスタント教会で結婚します。
カトリックの神父・ゴーントは地元の権力者で、「聖職者」なのにローズに異常なほど横恋慕するです。
彼は、ローズが生んだ男子を奪い、養子に出し、彼女を幼子を殺したとして、精神病院に監禁してしまうのです。
こうして40年の月日が流れます。
そこは、我々の想像を超える刑務所以上の過酷で苛烈さです。
ローズは、聖書に秘密の日記を認めていました。
映画の最後の結末は、伏せますが、ドンデン返しが待っています。
この映画は、長年続いた「北アイルランド紛争」が表面的、一応の和解を迎えたから生まれた映画だと思うのですが、
かつてのカトリックの暴力性、今日もなお根付いているナチスの優生思想、今日のレイシズムなどの問題と恐怖が
根本にあります。
きわめて刺激的テーマです。アイルランドの抱える問題を描きながらもストーリーを複雑にしないで
シンプルに描けば良かったとつくづく思い、残念です。
若きローズ役のルーニー・マーラが美しいです。
彼女が出演した映画の私のブログは、キャロル です。     【6月4日】


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