マッシーパパの遠吠え

インターネット情報を丹念に読み取り、ニュースの裏に潜む真実を綴るあなたのためのブログです。

イージス艦の情報漏洩と中国潜水艦の動向をリークしたのとどう違うの!?

2008-10-05 08:42:31 | Weblog

読売新聞が2005年に中国の潜水艦事故について報道した件に関し、防衛機密を漏洩したとして、2日、防衛省情報本部の一等空佐が懲戒免職処分にされたという。

これに対し、当事者の「読売」をはじめ、「朝日」「毎日が」社説で批判。珍しく、3紙ともほぼ同じ論調で、「報道の内容がなぜ秘密なのかわからない」とし、行き過ぎた処分は報道の自由を制約するとしている。そして、このことで公務員が萎縮し、一層、情報開示に消極姿勢になることを危惧しているのだ・・。

確かに、マッシーパパも当時の記事を検証してみて、何が防衛秘密なのかさっぱりわからない。「毎日」社説にも「増田防衛事務次官が記事に防衛秘密が含まれているとしつつ、どこが秘密に当たるのか明言を避けた」とある。又、処分の真意は「米軍情報である潜水艦の艦番号に触れたことで、軍事情報の漏えいに神経質になっている米国に配慮した結果だ」と見ているのだ(http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081004k0000m070145000c.html)。

もし、そうだとすると、一体、防衛秘密と国民への情報開示の線引きはどうなっているのだろう。

それを考える前に、整理しておきたいことがある。イージス艦情報漏洩(ろうえい)事件で、最高レベルの防衛機密(特防秘)を含む資料を持ち出したとして、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反罪に問われた松内海自3佐が目下、無罪を主張して係争中なのだ。

因みに、防衛上の秘密情報は、日米軍事協定に基づく「特別防衛秘密」、自衛隊法の「防衛秘密」「省秘」の三つに分類される。勿論、言うまでもなく、イージス艦の方が「読売」事件より秘密の重要性は数段高いものである。

それが、片やは係争中を理由に処分せず、一方は、検察が起訴猶予にする見通しだというのに早ばやと懲戒免職にするという。ま~、常識的には理解できないが、どうやら、件の一等空佐が防衛省の警務隊(憲兵?)の取調べで、犯行を認めているからとか。

ならば、情報を教唆(?)した「読売」記者も調べなければならないのに、自衛隊法にその規定がないから必要ないというのだ。どこまでご都合主義的な法律か、掘り下げれば掘り下げるほど、「非理法権天(道理も法も権力に負ける)」の世界に行きつく。

いや、マッシーパパの言いたいのはそんな狭小なことでなく、イージス艦の秘密漏洩が当初、2等海曹の中国妻から発覚したのに、いつの間にか肝心のスパイ容疑が有耶無耶に。挙句が、多数の自衛官のPCに伝播した”張本人探し”に変容。そして、人身御供のように件の3佐だけが訴訟提起された問題だ(但し、一連の不祥事に係わる懲戒処分としてほかに隊員2人が懲戒免職、17名が5日以上の停職となっている)。

だからこそ、当初漏洩を認めていた被告も、「なぜおれだけが…」になって、一転、反旗を翻したといわれているのだ(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/160085/)。又、「無罪主張は当たり前だ。多くの隊員が関与したのに、松内だけが罪に問われるのはかわいそうだ」と、海自内には擁護する声も根強いとか(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/160112/)・・。

要するに、防衛秘密の定義が防衛省トップすらあいまいということに問題があるのである。当然過ぎるぐらい当然な国益ということが基準であるべきなのに、省益が第一義になるから矛盾が生じるのである。

つまり、マッシーパパが9月17日のブログ『役に立たないイージス艦』で縷々述べたように、国民は日本の領海に出没した中国潜水艦をなぜ取り逃がしたのかが不安なのである。それを「索敵」能力がバレルからと全て情報を隠蔽すればもはや、国益でなくなるのである。早い話、単にミスが公になるのを恐れただけと言われても仕方ないのではなかろうか・・。

ともあれ、防衛省も所詮、厚労省や農水省と同じ穴の狢。国益を第一義にするのでなく、省益が大事なだけということ。大事な防衛情報が外国に漏れるより、オノレらの不祥事が国内に漏れるほうが一大事なのだ。だからこそ、最近のねじれ現象から、野党の質問攻勢がするどくなると、お役所もきゅうきゅうし、情報隠蔽に走るのだろう。

従って、誰がどう言いつくろうとも、今回の一件、新聞社の言い分が正しいよね・・。♪

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