飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「ゼロ・ダーク・サーティ」(監督:キャスリン・ビグロー)

2014-04-15 | Weblog

■製作年:2012年 
■監督:キャスリン・ビグロー
■出演:ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ジョエル・エドガートン、他

9.11全米同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラデンの暗殺を描いた映画です。映画はドキュメンタリー・タッチで緊迫感ある映像が続きます。昨年のキネマ旬報による読者選出のベストテンでも高位のランクを付けた映画で、見ていても飽きることなく、映画の出来としては上々の作品であると思います。監督はキャスリン・ビグロー、前作の「ハート・ロッカー」でアカデミー賞を受賞している人。内容的に女性が撮った映画とはとても思えなく、監督の力量が相当なものであることが伺いしれます。

ただ、一方で私自身が細かい政治的背景を熟知していないためということもあるのですが、この映画がどこまで本当のことなのかを理解できないという点が気になります。9.11のあの自爆テロの大事件が本当にビンラディンの仕業であったのか?陰謀論的なトンデも系の意見としてあの自爆テロはアメリカが仕掛けたもの、ブッシュ大統領の陰謀であったなんて説もあったりするからです。火のない所に煙は立たず、なんらかの怪しい点があるからこそ、そうした意見もでてくるのでしょう。とかくマスコミは権力と連携し隠蔽したり、権力に不都合なことを覆い隠すことがあるということがまことしやかに言われたりします。映画を見ている限り、観客はCIAの執念により首謀者のビンラディンを追い詰め暗殺に成功したという流れの印象は否めません。しかしビンラディンが首謀者でないとしたら?

あるいは、ラストにビンラディンが潜伏する屋敷に乗り込んだ時、女、子供がいるに関わらず乗り込み、無惨にもその目の前で男達を殺すという、彼らの立場からしたらテロに匹敵する行為をしていることになる。その現場を目撃した子供達は親達がしでかしたことが悪かったから、アメリカが正しかったから、このような仕打ちを受けたのだと素直に思えるのでしょうか?否、彼らは暴力の洗礼を受け、おそらく暴力でやり返すことになるのに違いありません。切れることのない暴力の連鎖!そうしたことをさらにほめのかすような演出を加えていれば、この映画はもっと深く辛い作品になったんだろうな、と思いました。

 

もう一度書きますが、もしビンラディンが首謀者ではないとしたら、この映画の意義はどこの位置にあるのだろう…。

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ジェシカ・チャステイン,ジェイソン・クラーク,ジョエル・エドガートン,ジェニファー・イーリー,マーク・ストロング
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