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■製作年:2013年
■監督:ライアン・クーグラー
■出演:マイケル・B・ジョーダン、オクタビア・スペンサー、メロニー・ディアス、他
2009年の元旦、オスカー・グラントは電車の中で乱闘騒ぎに巻き込まれ、フルートベール駅の構内で警官に捕まり、手錠をはめられたままうつ伏せになった。警官は丸腰で無抵抗な彼を銃で撃った。翌朝、彼は帰らぬ人となった。この駅構内で起こった悲劇には多くの目撃者がおり、携帯電話でその事件を撮影した。その顛末をユーチューブでアップし、抗議やデモが起こり社会問題となるも、殺人を犯した白人の警官は懲役2年の判決、わずか11ヶ月で釈放される。
彼は黒人だった。
彼は22歳だった。
彼は4歳の娘がいた。
彼は家族を愛していた。
彼は犯罪歴があった。
彼はドラッグの売人だった。
彼は売人から足を洗おうとした。
彼は遅刻の常習犯で勤務先のスーパーを解雇された。
彼はまっとうな仕事をしたいと希望し仕事を探していた。
一体、22歳の若い黒人青年がなぜ無抵抗のまま射殺されなければならなかったのか?偏見、差別、暴力・・・、映画はこれが問題なのだと雄弁に語ることをせず、彼が事件に巻き込まれていく日常の生活を淡々と描いていく。映画を見る限り、けっして立派なとは言えないも、心優しいいどこにでもいるような青年なのだ。その彼が、なぜ、警官に殺されなければならなかったのか?社会の抱える矛盾を観客に考えさせる作品となっている。映画を作った監督ライアン・クーグラーは27歳の黒人という。若い才能が世に出た。
「フルートベイル駅で」は、当初わずか7館の映画館での公開が、やがて1063館にまで拡大したそうだ。観客の支持を得たこの映画は、サンダンス映画祭でも作品賞と観客賞を受賞。小品ながら心にしみる秀作なのです。
於:「新宿武蔵野館」にて
※ユーチューブでアップされた事件映像
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