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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「イップ・マン 序章」(主演:ドニー・イェン)を見た

2011-03-10 | Weblog

■製作年:2008年
■監督:ウィルソン・イップ
■音楽:川井憲次
■主演:ドニー・イェン、サイモン・ヤム、池内博之、渋谷天馬、他

話題の?クンフー映画「イップ・マン 序章」を見てきました。先に公開されていた「イップ・マン 葉問」の劇場観客動員が5000人を超えるとこの作品を公開するとかいう企画を新宿武蔵野館でやっていて見事動員をクリアしたのでこの作品も公開ということになったもの。まあ、これ映画配給の巧妙な宣伝戦略かなと思いつつも、香港で大ヒットした作品らしいことや、香港のアカデミー賞といわれている香港電影金像奨の11部門にノミネートされ、最優秀作品賞、アクション指導賞の2部門を受賞している実績があることで、そんな動員がどうしたという企画を抜きにして、これはもしかしたら面白いかも…と思えてくるのであります。でも、そうは思いながらも足どりは重く上映終了間際の駆け込みとなってしまいました。映画が上映される新宿武蔵野館には「イップ・マン 葉問」を見た観客による「イップ・マン 序章」の公開を期待する寄せ書きのボード(ポストイットにそれが書かれてある)が展示されていて始まる前にそれを見ると期待も膨らむというものです。 

 

この作品は先に劇場公開されていた「イップ・マン 葉問」よりも先に実際は作られていて、シリーズものの「1」ということになります。さて、映画は武術道場が集まる佛山というところに道場荒らしがやってくるところから本格的に話は展開します。最終的に道場荒らしは各道場を総なめし、イップ・マンのところにやってきますが、彼は相手の攻撃を軽々と流暢にかわし全く子供扱い。そこに彼のずば抜けた強さが強調されます。イップ・マン演じるドニー・イェンが冷静沈着かつ余裕しゃくしゃくのクールな演技で実にカッコイイ。

 

やがて日中戦争が始まりイップ・マンが暮らす佛山も街が荒れ果て、冒頭の原色も鮮やかな中国の街は粉塵が舞い死者が横たわる廃墟と化します。映画は戦争の悲惨さをどんよりとして暗く渇いた空気でもって見事に表現しています。街を破壊したのは誰か?そこには日の丸の国旗が舞い、象徴的に描かれています。中国人たちから見ればこの日の丸は血の丸に見えたに違いありません。「イップ・マン 序章」は日本人を侵略者として極端に悪く描いているのです。つまりそれは、中国を侵略した日本人をやっつける香港映画を日本で日本人が中国人のヒーローをカッコイイとワクワクして見ている構図、それがこの映画を見るスタイルということにもなってきます。実際、日本軍の佐藤という人物はかなりひどく憎々しく描かれており同じ日本人として心地好いものではありませんが、侵略された側から見ればあんな風に見えたかもしれません。

 

 

空手道場で侵略者としての日本人10人を怒りの鉄拳でもって連打の速射砲、秒殺でバタバタと倒していくイップ・マンの無敵ぶりは実にカッコイイし頼もしい。思わずスゲーと。でもやられているのは日本人なのでちょっと複雑な気持ちにもなってしまいます。最後に彼に一対一の死闘で倒されてしまう(そこはナショナリズム昂揚の部分でもある)日本人将校・三浦を演じる池内博之、柔道の心得があるそうだけどなかなかのアクションを見せてくれます。「最後に一度だけ応援させて」とその将校・三浦と四面楚歌の状況下で生死をかけた闘いに挑む夫・イップ・マンをそばで見届けたい望む妻の姿、その場面では、何故か見ていて「ロッキー」を思い出しました。

 

主役を演じたドニー・イェン、プロフィールを見ると1963年生まれとあります。なんと40代も後半じゃないですか!とても年齢を感じさせないハードなアクション。凄いの一言。香港での大ヒットも頷ける面白い映画でした。 

 

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