→新宿ピカデリーにて(8/19にて上映終了)
■製作年:2010年
■監督:チャン・イー・モウ
■出演:チョン・ドンユイ、ショーン・ドウ、他
中国映画「サンザシの樹の下で」を見ました。わかっちゃいるけど泣けてくる。素直に映画の世界に浸り思わず暗い映画館の椅子に座りながら涙を流してしまいました。私は江戸川乱歩や寺山修司、泉鏡花といった作家や映画もどちらかというとマニアックな監督作品を好んで見ているほうなのですが、実は実はこうした純愛ものも結構嫌いではないんですよね。
話は単純なんです、文化大革命の真っ只中の中国のまるでお伽話のような一組の若い男女の純愛ストーリー。涙を流したと書いたけど、歳をとって涙腺が弱くなったのかホント、ツボにはまって泣かされてしまいました。何年ぶりなのかなあ、映画館で涙するなんて。とにかく、泣くということはそれだけ感情を揺さぶらされたということで、恥ずかしながらポンと肩を叩かれるだけで涙がまたこぼれ落ちそうになるので、少し間を置いて映画館を出ることにしました。
純粋な若い男女がお互いに惹かれ合うのをリリカルに描いたことにより、人が人を好きになることは、なんて美しく切なく尊いことなんだろうと、それだけで深い感動を呼び起こされてしまうのです。若い二人は親を気にして、周囲を気にしてかわいい?逢い引きを重ねます。状況や環境は違えども甘く切ない恋愛の感覚はそれなりに似たような経験を誰でもしているのではないでしょうか?いやいや、この現代日本ではそんな恋愛は過去の遺跡のようなもの?私もそう思います。しかし、計算されたとはいえ美しい映像はそんな擦れっからしの感性をどこかに追いやってしまい、このお伽話のような世界に浸りきらせる力があるのです。求め合う純粋な気持ちは何よりも輝いているのです。
主人公のジュンチュウを演じたチョウ・ドンユイは奇跡のように可愛い、どこにでもいそうな女の子なんですが、そこが親近感を感じさせます。そしてその一挙手一投足が、表情の一つ一つがまるで天使のようです。映画「サンザシの樹の下で」は、本国の中国では文芸映画ジャンルで記録的なヒットとなって、チョウ・ドンユイは<13億人の妹>と呼ばれ一躍人気者になたとか。監督は北京オリンピックの開会式と閉会式を演出した巨匠のチャン・イー・モウ。映画を素直な姿勢で見て、泣きたい!と思う方はオススメの映画だと思います。
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