飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

僕は知らない寺山修司NO.169⇒CD「阿呆船」と戯曲「阿呆船」

2010-10-20 | 寺山修司

パルテノン多摩で寺山修司の「阿呆船」を見てきたのは先日の記事の通り。この「阿呆船」には当時、寺山修司が存命中に彼が率いた「天井桟敷」によって録音されたものが残っていてCD化されている。それは一度聞いたら魂の底を震わせかねない(ボクにとって)J・A・シィザーの音楽が収録されている貴重なもの?まだ公演の肌触り(あえて、肌触りと書きました)が残っている時に聞く呪術ロックの響き。ボクは、<僕は知らない寺山修司>へと思いを馳せる。「阿呆船」のラスト、<人動説>の見果てぬ夢?を見て、その時代へ旅立とうとするエンディングの場面が好きだ。

 

 

“人は誰でも他人の黒衣。操っていると思って操られている。阿呆のからくり糸車。そろそろ時がきたようね。中世から。このてもひらの上の地図まで、時がなぞる、阿呆の船の輪郭。夜と昼のいがみあいはやめて、二つの夜と二つの昼ー人は誰でも知っているのよ。人間のいちばんいい友だちは、自分自身の吐くツバだってこと。眠り男は千年眠れ。自惚れ、おべっか、放蕩、怠情。欲ばり。酔いどれ。女好き。さあ、船が出るよ。ほら吹き、うそつき、知ったかぶり。みんな乗って……帆をあげて……ガリレオ・ガリレイをひとさし指にくくりつけて、堕ちてゆく堕ちてゆく天国のてっぺん

天動説に眼を射られ

地動説には釘を打ち

身は囚われて船底に

人動説の時を待つ……!

 

♪さあ 船出だ

 銅鑼が鳴る

 天につば吐け 阿呆船

 乗組む者は 皆阿呆

 ほら吹き 酒飲み もの忘れ

 放蕩 大食い 怠け者

 女たらしに 大泥棒

 天下国家を くつがえす

 地獄かたぎの 夜働き

 

 さあ船出だ

 銅鑼が鳴る

 万の書物に火を放て

 係累一家叩き売れ

 死んだ子供に 花かざれ

 狂気の腕に 帆をかかげ

 酔いどれ海の 阿呆船

 どうせ滅びる この世なら

 せめて一度の 狂い咲き

 

 ああ めくら千里の怒涛に乗って

 棺桶が流れてゆく

 狂いの銅鑼は心臓だ

 天の気ちがい 地の阿呆たちが

 三人 五人 六人 七人 八人 九人 十人と

 乗りこんできて 船出する ♪”





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