飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「時をかける少女」(監督:角川春樹)

2011-04-14 | Weblog

■製作年:1997年
■監督:角川春樹
■出演:中本奈奈、中村俊介、渡瀬恒彦、伊武雅刀、倍賞美津子、早見優、他

映画の冒頭に音楽とともに俳優やスタッフのテロップが流れます。音楽は松任谷由実ではないか。そしてナレーションとして原田知世の名前も見かけることができる。監督はというと角川春樹とあり彼存在感を見せつけるキャスティングであります。あの大林監督の作品「時をかける少女」を世に送り出し、また角川映画という一代ムーブメントを仕掛け、当時出版業界の風雲児として時代の寵児となった伝説の人であります。数々の映画を世に送り出してきた角川春樹がなぜ「時をかける少女」を自らの手でリメイクしようと思ったのか?大林監督の作品で言えなかったことを伝えたいのか?それは見ればわかること?

そんなふうにして見はじめたこの作品は、最初のあたりはモノクローム映像で凝ったカメラアングル等で見せ、どんな映画に仕上がっているのかなとその展開を期待させるのですが、段々とその展開がまったりとしてくるのが気にななってきます。余分な台詞も多いように感じてくるし、会話のテンポもスローに見えてくる。そのあげく、このシーンは必要なのか、メインの胸キュンさせるべくヒロインの演技もあんまりうまくないななどと思いはじめ、だんだんとイライラとしてくる。同じ下手な演技では大林監督作品の「時をかける少女」のヒロインを演じた原田知世はじめみんな下手ではなかったか?。ならばこのイライラ感は最終的に映像を仕上げていく角川監督によるものじゃないのと。これまで見てきた他の「時をかける少女」の出来栄えが良すぎたのかもしれませんが、残念ながら今回の作品は失敗作と言わざる得ないでしょう。収穫は早見優の教師役、あんな先生に教えてもらったらよかったのになあ、なんて・・・。

それまで主人公の女の子の可愛さに見とれ気がつかなかったのですが、今回はいろいろ考える余裕もあり、この「時をかける少女」という作品は未来は決まっている、人の人生の航路はあらかじめ決まっているという運命決定論の立場に立っていることが、今回あらためて認識させられました。そんなの未来人という存在が登場することによりアホでも最初からわかっているじゃないのなんて言われそうなんだけど…。でも運命はあらかじめ決まっているという確固たる考えからこの芳山和子の恋の物語を捉えると非常に残酷な運命を神様は用意しているなあと思ってしまうのです。 いずれにせよ、時空を行き来できるということは未来の果てのさらなる未来はどうなっているの?ということになります。未来はやっぱり作るものとボクは思いたいですね。

 

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