飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「パシフィック・リム」(監督:ギレルモ・デル・トロ)

2014-07-06 | Weblog

■製作年:2013年
■監督:ギレルモ・デル・トロ
■出演:チャーリー・ハナム、イドリス・エルバ、菊地凛子、他

日本の特撮怪獣映画、アニメに影響を受け、それへのオマージュを捧げたギレルモ・デル・トロ監督が作った映画がこの「パシフィック・リム」であるそうな。それゆえに設定は異次元から襲ってくる怪物によって地球滅亡直前か?という事態に陥っているわけですが、その怪物をKAIJU(怪獣)と呼んでいたり、それを迎え撃つ人間側のヒロインには日本人の菊地凜子が配役されたりしていて、日本びいきがわかります。地球の主要都市はこの怪獣の襲撃に機能麻痺になってしまっており、地上において戦う舞台として設定されているのは漢字も街の背景にそこかしこと飛び交う香港です。それが東京ではなく香港というのは何か意味があるんでしょうかね。アジア的なまがまがしさを表現したかったのかな?と勝手に思ってみたり。

地球に生息する人間達を滅亡の危機へと追い詰める怪獣を迎え撃つ武器は、私としては鉄人28号とかマジンガーZを想起させる巨大ロボットです。それを操縦するのは人間で、それも一人ではなく二人で操縦するという仕掛け(二人の神経を同調させてロボットを操るというもの)になっています。つまりロボットを操縦する二人の信頼関係が本当の意味でないと上手くいかないということになるのです。それが単なるロボット対巨大怪獣というアクションのみではなく、ありがちな愛とか信頼というキーワードに重みを与え、より強い人間ドラマを映画に加味させているという形になっているのでした。

ただ個人的好みからするとロボットのデザインは、まだいいのですが、怪獣の造型がイマイチでした。個性がないのです。日本の怪獣にはそれぞれ際だった個性があったように思います。そしてそれがよかったんですがね。この映画の怪獣は、アメリカ映画にありがちな造型、何か得体の知れない爬虫類の進化形のようなものでとにかく巨大で気持ち悪いものというイメージでしかありませんでした。本来、クリエイティブ的な側面からすると、そのような形の方が上回っていると思うのですが、蛾の巨大なバージョンとしてのモスラとか、ザリガニと蝉が合体したようなバルタン星人とか、程度が低くてもそちらの方が個性があります。

ところで、映画の展開はお決まりのように、危機に対して勇気、団結、使命などなどがクローズアップされて進んでいき、最後はヒーローとヒロインが力を合わせて怪獣を退治、人類を救うことになります。彼らは怪獣と激闘した深海から帰還し海上で二人きり。最後は無事を確認し抱き合って熱いキスで終わるのかなとと思いきや、おでことおでこを合わせて抱き合って終わってしまいました。なんか、あれ?って感じで拍子抜け。お互いの神経をテレポートし強い信頼関係で結ばれているはずなのになあ。キスしてめでたく二人は結ばれました…が、ハッピーエンドでないかい?

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